HOME
> LPガス事業者の皆様へ >
LPガス動向
>
LPガスの供給
マーケットウィークリーレポート
【概要】
先週の極東マーケットは、旺盛なスポット引き合い、原油市況の高騰、及びそれに伴うナフサ価格の上伸を背景に、ほぼ右肩上がりで値を上げた。
2/18(月)は、ARAMCO(サウジ)からの3月積みFOBアクセプタンス通知の結果が、ほぼノミネーション通りであったことから、多くの市場関係者は模様眺めの状態となったが、旺盛な引き合いを背景に、値を上げたと思われる(前営業日比+2$/MTレベル)。
2/19(火)は、引き続き旺盛な引き合いが見受けられるものの、具体的な成約には至らず、横這いで推移。なお、極東取引時間終了後の原油価格大幅急伸影響については、未織り込みと思われたことから、その後の市況動向に関し、注視が必要となっていた。
2/20(水)は、原油価格の続伸、及びそれに伴うナフサ価格の上伸を背景に、値を上げたと思われる(前営業日比+8$/MTレベル)。
2/21(木)は、@新規スポット成約の報、A原油価格の高止まり、及びそれに伴うBナフサ価格の続伸を背景に、値を上げたと思われる(前日比+6$/MTレベル)。
2/22(金)は、プロパンは3月CP発表を目前に控え、市場関係者は模様眺めの状態で、商談閑散、値動きなし。一方ブタンは、原油価格の高止まりに伴うナフサ価格高騰を背景に値を上げ、結果、P/B間価格差は無くなったと思われる(前日比P/B=0/+5$/MTレベル)。
以上より2/22(金)時点では、CFR日本ベースでP/B共=845〜850$/MT(前週比:P/B=+10〜20/+20〜30$/MT)レベルとなっている。
【原油マーケット】
先週のWTIは、@OPEC(石油輸出国機構)による減産決議採択観測、Aドル安加速、及び地政学的リスクの台頭等を背景に、大幅上伸した。結果、終値ベース・取引時間内ベース共に100$/BBL超となり、過去最高値を更新した。週末終値ベースでは前週末比+3.31$/BBLとなった。
2/18(月)は、WTIは祝日(MPresidents' Day)の為、休場であったが、時間外取引では続伸。イラン・ノザリ石油相が、来る3/5のOPEC(石油輸出国機構)総会で、4〜6月期の減産の可能性について言及したことを背景に、先行きの供給引き締まり観測が台頭し、結果、値を上げた。
2/19(火)は、急騰。終値ベースで史上初となる100$/BBL台を記録し、過去最高値を更新した(前営業日<2/15>比+4.51$/BBL)。来る3/5の総会におけるOPEC(石油輸出国機構)による減産決議採択観測を背景に、一時、過去最高値100.10$/BBLを記録し、取引時間内ベースでの過去最高値を更新した(なお、これまでの取引時間内ベースでの過去最高値は1/3に記録した100.09$/BBL、終値ベースでの過去最高値は1/2に記録した99.62$/BBL)。なお、@外国為替市場でのドル安加速、Aロシア・ルクオイルの対ドイツ石油供給停止、及びB米国テキサス州のアロン社製油所火災に伴う石油製品市況の急進も、原油市況を大きく押し上げる一因となったと思われる。
2/20(水)は、5営業日続伸。終値ベースでの過去最高値を再更新した。取引前半は、@3月物取引最終日を迎え、利益確定売りが優勢となったこと、及びA前日価格高騰の反動から、一時98.40$/BBLまで下落。後半は、FRB(米国連邦準備制度理事会)による追加利下げ実施観測の高まりを受け、@株価が反発し、エネルギー需要減退観測が後退したこと、及びA外国為替市場でのドル安加速を背景に、大きく値を戻し、一時、取引時間内での過去最高値を更新し、101.32$/BBLを記録した(前日比+0.73$/BBL)。
2/21(木)は、反落。2/21(木)発表された米国週間石油在庫統計にて、予想以上の原油在庫の増加が示されたことから、売りが優勢となり、値を下げたと思われる。また、一部のOPEC(石油輸出国機構)関係者による、「原油供給は十分であり、需給逼迫懸念はない。また、来る3/5開催予定のOPEC総会での減産決議採択の可能性はない。」との発言も、原油市況を押し下げる一因となったと思われる(前日比△1.47$/BBL)。
2/22(金)は、反発。@トルコ軍がクルド人武装勢力「クルド労働者党」掃討の為、イラク北部に部隊を派遣し、11年ぶりとなる地上戦を展開したこと、及びAイランが国連安全保障理事会決議に違反し、ウラン濃縮活動を継続していることが明らかになったことを手掛かりに、中東地域における地政学的リスクが台頭し、結果、買いが優勢となり、一時99.37$/BBLまで値を上げたが、@原油在庫が6週連続で積み上がったこと、及びA景気後退に伴うエネルギー需要後退懸念を背景に、上昇幅は圧縮された(前日比+0.53$/BBL)。
以上より、2/22(金)時点での原油価格は、4月:98.81$/BBL、5月:98.42$/BBL、6月:97.94$/BBLとなっている。
【LPGマーケット】
1 中東マーケット
先週の中東FOBマーケットは、IPCC(イラン)が2月下旬ASSALUYEH積みP/B計44千MTを価格未詳ながらもスポット販売した模様。
個別取引では、3月中旬MINA AL AHMADI(クウェート)積みP/B=22/22千MTが価格未詳ながらもスポット成約された模様。
2 欧米マーケット
<北西ヨーロッパ>
プロパンは商談閑散ながらも、原油価格の上昇を背景に、値を上げた。ブタンは、原油価格の高騰に伴うナフサ価格高騰を背景に、石化原料用需要が喚起され、続伸した。
<地中海地域>
プロパンは原油価格が上昇したにも拘らず、穏やかな気候を背景とした引き合いの弱さを背景に、小幅上昇となった。ブタンは、品薄感、及び引き合いの弱さといった強弱両材料を背景に、揉み合いとなったと思われる。
<米国>
プロパンは、原油価格の上昇を背景に大きく値を上げた。ブタンは原油価格高騰、及びガソリン価格の下落といった強弱両材料を背景に、小幅上昇となったと思われる。
3 極東マーケット
トレーダー間や日本・中国向けの複数の成約が報告されている。
@日本向け:3月後半着CFRでP22千MTが3月CPリンクにて成約された模様。
A極東向け:3月後半着CFRでP22千MTが846$/MTにて成約された模様。
B極東向け:3月後半着CFRでP/B=11/11千MTが3月CPリンクにて成約された模様。
C極東向け:3月後半着CFRでP22千MTが価格未詳ながらも成約された模様。
D極東向け:3月後半着CFRでP/B=11/11千MTが3月CP+40$/MTにて成約された模様。
E中国向け:3月後半着CFRでP/B=11/11千MTが3月CP+42〜43$/MTレベルで成約された模様。
ナフサMOPJは、2/22(金)時点では3月後半物で886.250$/MT(前週比:+2.500$/MT)となっている。
4 フレートマーケット
大幅下落。複数の売り手が30$/MT切れを提示し、売り急いだ結果、大きく値を下げたと思われる。また、中東産ガス国からのスポット販売余力が期待できない中、依然としてスポット傭船市場における船腹余剰感が解消されていないことから、引き続き、注視が必要と思われる。
2/22(金)時点で中東-日本間で27.143$/MT(前週比:△4.000$/MT)となっている。
5 バンカーマーケット
反落。連日の価格上昇の反動、及び買い手に比し、売り手が多く見受けられることを背景に、値を下げたと思われる。
2/22(金)時点でIFO-380CSTはSINGAPOREで481.00$/MT(前週比:△3.00/MT)となっている。
6 先物マーケット
【CPスワップ($/MT)】
03月P/B=800/805
04月P/B=775/785
05月P/B=755/775
7 天然ガス
NYMEX天然ガス価格は、2/22(金)時点で3月物が9.146$/MMBTU(前週比:+0.486$/MMBTU)となっている。
【価格推移】
1 サウジCP推移表
2月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン:800.00、ブタン:805.00
過去のCP推移は
こちら
をクリックしてください。
2 北海アルジェリア価格
2月の旧北海価格及びアルジェリア価格は、以下の通りです($/MT)。
旧北海価格
プロパン:797.50、ブタン:747.50
アルジェリア価格
プロパン:795.00、ブタン:780.00
過去の旧北海価格及びアルジェリア価格は
こちら
をクリックしてください。
3 欧米LPG価格、原油価格
原油価格の動向と密接に関係する欧米LPGは今後の需給バランスを勘案する上で非常に注目されます。
欧米LPG価格と原油価格(アラビアンライト)の価格推移は
こちら
をクリックしてください。