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LPガスの供給


LPガスの供給 >供給ソース多様化  
新規LPG供給ソースとプロジェクト
LPGは原油と同様に中東産ガス国からは非常に大規模な輸出が実施されております。しかしながら、サウジアラビアの国内需要(石化原料用やMTBE用)の増加により輸出余力が減少傾向にあります。
かかる中、世界的に資源開発と共に、新規のLPG輸出プロジェクトが中東諸国だけでなく、アジアやオセアニア、アフリカや南米など多岐に渡り計画されていると言われております。
ここでは、これら新規プロジェクトを中心に新規供給ソースについて御説明致します。

  中東エリアの新規供給ソース

中東エリアは最大のLPG輸出エリアであることは有名です。特に世界最大のLPG輸出国であるサウジアラビアなどが存在することから、今後も重要な供給エリアであることは間違いありません。
サウジアラビアでは近年の国内需要増加により、LPG輸出余力が減少しているものの、油田やガス田の積極的な開発により、随伴するLPGを回収、輸出するプロジェクトが計画されております。


( 1) ベリープラント【サウジアラビア】
サウジアラビアのベリー地区では2003年以降に天然ガスプラント開発により抽出されるLPGを回収、輸出するプロジェクトが計画されております。当該プロジェクトにより増産されるLPGは130万d/年程度と言われており、国内需要増加により減少傾向にある同国のLPG輸出の一部が回復することとなります。

( 2) OGDプロジェクト【アブダビ】
アブダビでは2005年を目処とした新規プラント稼動とともにLPG生産は飛躍的増加すると言われております。これは、マーバン原油(アブダビ産主力原油)を生産する際の随伴ガスやザクム油田やウム・シャイフ油田からの随伴ガスが主体となり、OGD(オンショア ガス デベロップメント)プロジェクトが複数稼動を開始することによります。これらのプロジェクト稼動開始により、現在約500〜600万d/年の輸出数量が、1,000万d/年程度となると言われております。

( 3) サウスパースプロジェクト【イラン】
イランは中東の中では比較的LPG輸出量が少ない国です。しかしながら、元来豊富なエネルギー埋蔵量があることから、近年、急速に輸出量をふやしている地域でもあります。
イランの国営石油会社と欧州の石油メジャーが資本投資を実施し、ジョイントベンチャーとして、天然ガス開発による随伴LPGの回収プロジェクトを計画しております。サウスパースと呼ばれるこれらのエリアでは、数十万d/年単位のプロジェクトが複数存在しており、今後一大輸出国となる可能性を持つ国と言えます。

( 4) NGL-4【カタール】
カタールでは、2002年後半から実施されるプロジェクトが存在します。NGL-4と呼ばれるこのプロジェクトは精製LPGを輸出することとなっており、既にプラントも完成していると言われており、約100万d/年程度の規模で増産されることとなります

( 5) 【イラク】
イラクは元来原油/LPGともに豊富な資源埋蔵が判明している国です。しかしながら、91年の湾岸戦争以降の国連制裁により、原油輸出も限定的に実施されるに過ぎず、LPG輸出は実施されておりません。LPG生産能力は200〜300万d/年とも言われており、国連制裁解除後数年の間で一大輸出国となる可能性を秘めた国であると言われております。


  アフリカエリアの新規供給ソース

アフリカ産LPGは、北部アフリカのアルジェリアから主に地中海エリアを中心に供給されております。又、近年では、西部アフリカのナイジェリアからもLPGが輸出され始めており、今後も数多くのプロジェクトが存在する供給エリアと言われております。
近年のLPG取引では、アジアとアメリカ、ヨーロッパというマーケットの中間に位置するアフリカは、全マーケットを対象にするべく積極的な開発が行われており、一大供給ソースとしての活躍が期待されております。


( 1) ロードナス・インアメナス・オハネット・ガシィトイル プロジェクト【アルジェリア】
アルジェリアLPGを供給するソナトラック社は、独自の資本、並びに外資系資本の導入も含め、アルジェリアの豊富な資源開発に推進しております。
天然ガスからLPGを抽出し、LPGを回収・輸出する複数のプロジェクトが計画されており、ロードナスプロジェクトの拡張では約100万d/年、インアメナスプロジェクトでは約50万d/年、オハネットプロジェクトでは当初25万d/程度も10年後には80万d/年まで増産され、ガシィトイルプロジェクトでは25万d/年程度が新規に供給されると言われております。

( 2) エスクラボス ガス プロジェクト【ナイジェリア】
ナイジェリア国営石油会社は石油メジャーのシェブロンと共同でエスクラボス油田から随伴されるLPGを回収しております。既に同プロジェクトは第2プラントまで完成しており、実際に輸出されておりますが、2003〜2004年には第3プラントが完成すると言われており、約80万d/年の規模で輸出量が増加すると見込まれております。

( 3) その他のプロジェクト
ナイジェリアでは、エスクラボスプロジェクト以外にもシェルやエクソンモービルなどの石油メジャーが資本導入を検討しているプロジェクトが複数存在していると言われております。
ナイジェリアLNGプロジェクトでは第3プラントの建設が計画されており、2003年には約45万d/年、2007年には120万d/年規模の輸出が可能とまで言われております。
又、ナイジェリアLNGプラスと呼ばれるプロジェクトでは、2007年に第4プラント、2008年には第5プラント建設が計画されており、それぞれ30万d/年程度の輸出が可能と見込まれております。
西ナイジェリアデルタLNGプロジェクトでは、2007年に約140万d/年程度の輸出を検討していると言われております。
この様に、2007〜2008年頃と数年先ではあるものの、ナイジェリアは一大供給ソースとなる可能性を秘めており、又、リビアやアンゴラなど油田やガス田からのLPGを回収する計画など、様々なプロジェクトが存在しているエリアであると言われております。


  アジアエリアの新規供給ソース

世界最大のLPG輸入エリアであるアジア地域では、同時にインドネシアやマレーシア、オーストラリアなどの産ガス国が存在します。これらの国では、豊富な天然ガス資源を背景に新規LPG供給のプロジェクトが進行しております。

( 1) バーユーウンダン プロジェクト【東チモール】
東チモール海では、フィリップス社によるバーユーウンダンLNG随伴のLPG回収が2004年から開始される見込みとなっております。当該プロジェクトでは、100万d/年のLPG輸出能力があると言われており、又、アジアエリアに近い供給ソースとして期待されております。
このプロジェクトでは、生産されたLPGをFSO(フローティング ストーレッジ オペレーション)と呼ばれるシステムにて貯蔵、出荷することとなっております。FSOとは、洋上にLPGプラントと貯蔵設備を兼ねた巨大なタンカーを配置し、積取にきたタンカーへLPGを供給することとなっております。

( 2) パプアニューギニア ガス プロジェクト【パプアニューギニア】
東チモールと同様に、アジアに近い供給ソースとして期待されているのが、パプアニューギニアガスプロジェクトです。シェブロン社などの石油メジャー数社が参画しており、2004〜5年から50万d/年単位のLPG生産が実施される見通しです。

( 3) その他のプロジェクト
アジアエリアではその他にも新規LPGプロジェクトが計画されております。
インドネシアでは豊富なガス田から産出されるLPGを回収し、輸出するプロジェクトがいくつか存在します。インドネシアの国営石油会社であるプルタミナ社はスマトラ島南部ベトラで240万d/年の増産プロジェクトを進行しており、又、コノコ社はナトゥナ海でガス田からのLPG回収を実施すると言われております。これらのLPGもFSOシステムを採用すると言われております。


  南米エリアの新規供給ソース

南米は元々LPG一大輸入国であり、特にメキシコやブラジルでは中東や北米からのLPGを輸入しております。しかしながら、他南米諸国では様々な外資導入により天然ガスプロジェクトや油田開発によるLPG回収が実現化すると言われており、いずれはLPG輸出国となる可能性があると期待されております。

( 1) メガ プロジェクト【アルゼンチン】
アルゼンチンでは、2001年からレプソル/ペトロブラス社などの出資によるメガプロジェクトが稼動し始めており、年々LPG生産量が増え、60万d/年までの増産が実現すると言われております。

( 2) アクロ プロジェクト【ベネズエラ】
ベネズエラでは、国営石油会社であるPDVSA(ベネズエラ石油公社)が外資導入により天然ガスからのLPG中s鶴プロジェクトを推進しております。
アクロプロジェクトV、Wと呼ばれる当該プロジェクトは、既存のプラントを拡張することで約100万d/年程度のLPG増産が実現しており、今後も供給量は増えると言われております。

( 3) その他のプロジェクト
ベネズエラでは前述したアクロプロジェクトの他にも既存ガスプロジェクトの拡張が検討されております。
2005〜2007年にかけてクリオジェニコプロジェクトやエタンプロジェクト、ジャスフィンプロジェクトなど100万d/年単位のプロジェクトが複数存在しており、南米エリア全体のLPG需給バランスは、ブラジルやメキシコのLPG需要増加を加味しても、2007年以降はLPG輸出国となると見込まれております。


  欧州エリアの新規供給ソース

欧州エリアでは、北海油田から産出されるLPGが主に北西ヨーロッパへ供給されておりますが、北海油田の増設プラントや、旧ソ連地域の資源開発に伴い、新たに新規LPG供給のプロジェクトが進行していると言われております。

( 1) アスガード プロジェクト【ノルウェー】
北海油田から産出されるLPGは現在も北西ヨーロッパに供給されるLPGの重要なソースです。ノルウェーのスタットオイル社では、これら北海油田の拡張であるアスガードプロジェクト(100万d/年)を実施し始めております。

( 2) テンジク プロジェクト【カザフスタン】
旧ソ連エリアではカスピ海やカザフスタンなど豊富な資源を活用するべく、エネルギー開発を懸案としております。石油メジャーがジョイントベンチャーとして注目しているオデッサエリアにおけるテンジクプロジェクトです。既に一部は実現していると言われており、主に欧州やトルコへの供給を実施し始めております。年間数量は100万d/年程度と見込まれております。

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