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LPガスの保安技術


LPガスの保安技術>液化石油ガス法関係  
平成19年度 液化石油ガス販売事業者等保安対策指針

3月22日付けで、原子力安全・保安院より、平成19年度の「保安対策指針」が公表されています。経営者の方と従業員の皆さまが力を合わせ、「指針」で示された保安対策に継続的に取り組むことで、「LPガス事故の防止」と「コンプライアンスの徹底」を図りましょう。

 ■保安対策指針の考え方

平成18年度は、平成17年度に続き、複数の重大な法令違反事例を確認。
液化石油ガス事故は、雪害に加え、事業者側でのミスに起因する事故増などで、事故件数は大幅に増加。
一酸化炭素中毒事故をはじめとした製品事故対策ならびに消費者安全対策としての事業者および保安機関の役割の重要性(法定点検・調査に加え、消費設備の安全な使用方法等に係る周知活動等が大きく期待されている)。

本年は、保安機関制度と自主保安原則の導入等を柱とした改正液石法の施行から10年を迎える。改めて事業者および保安機関に対して、以下の事項を要請する。
(1) 液化石油ガス事故は、雪害に加え、事業者側でのミスに起因する事故増などで、事故件数は大幅に増加。
(2) 事業遂行の前提である法令の確実な遵守と、適切な保安対策を実施すること。
(3) 時代や社会の要請に応じて自主保安の高度化を一層推進することを求め、一般消費者等に係る適切な保安の維持・確保を図ること。


 ■平成18年における事故発生状況、法令違反への対応等

  事故発生状況

平成18年の液化石油ガス事故件数は218件
→年初の豪雪による雪害(80件)を除いても前年(105件)よりも大幅に増加。
B級以上事故は2件(前年より1件増加) 
→事故に起因して1名の方が死亡、B級事故撲滅までには至っていない。
一般住宅・共同住宅で発生しているものが大幅に増加
→年初の雪害によるものが多く、落雪対策が十分に取られていなかったことによるもの。
業務用厨房で発生した事故については23件
器具栓不完全閉止・閉め忘れ等の操作ミスおよび換気不足が大半であり、引き続き、消費者に対する注意喚起が必要。
バルク供給に係る事故については、11件発生(前年より7件増加)
バルク供給は近年着実に普及(18万基以上)、安全弁の点検時の事故が発生していることから、事業者等による事故の再発防止に重点を置き、保安確保に努める必要がある。
一酸化炭素中毒事故については、5件(前年より5件減少) 
→死者はなく、負傷も13人と減少。


  事故の背景にある法違反

供給開始時、容器交換時、定期点検・調査の未実施や不備
事故事例にあるガス瞬間湯沸器の不適切な使用、末端ガス栓の閉止措置の不備、ゴム管の接続ミスなどは、定期消費設備調査および周知を確実に実施していれば、事故を未然に防止できた。
液石法で定める技術上の基準等に適合していない設備工事
ガスメータ等の交換後のガス漏れ事故、液化石油ガス設備士の資格を有しない者の接続工事に起因する事故等が発生している。
緊急時対応の遅れ、緊急時連絡先の適切な周知が徹底されていない
→事故発生原因ではないが、保安業務にとって最重要事項に係る不備。
質量販売に係る違反


  虚偽の報告等重大な法令違反への対応

平成17年度に続き、事業所において保安に係る帳簿への虚偽の記載、多岐にわたる保安点検業務の未実施等、重大な法令違反が認められた。
保安業務の改善命令等の行政処分ならびに改善指示、および厳重注意の行政指導によって厳正に対処する。
プレスリリースやホームページへの掲載などを通じ対外的に公表(事業者への再発防止策、一般消費者に対する透明性の確保)。


 ■事業者および保安機関が講ずべき具体的な保安対策

平成19年度において、4項目を事業者および保安機関に要請
1.法令遵守の徹底  2.リスクマネジメントの導入  3.事故防止対策  4.自然災害対策
事後規制を着実かつ効果的に実施

引き続き、事業者および保安機関に対して適宜立入検査を実施。
経営者から保安に対するコミットメント、保安業務の具体的な実施状況、リスクマネジメントの状況等について聴取(トップヒアリング)。

〈平成19年度の立入検査重点確認事項〉
  ●法定保安業務の実施状況(供給設備点検および消費設備調査等の実施状況)
●保安に係る帳簿の記載状況
●液石法第14条に基づく書面の交付状況
●一般消費者に対する周知状況
●緊急時対応等の法令遵守状況

  情報提供(文書交付)対象設備および対象物質

(1)経営者の保安確保へ向けたコミットメント等
  経営者が自ら社内外に保安に対する姿勢を明確に表明(コミット)し、保安確保の指導力を発揮すること。
  自主行動計画の策定や、保安組織体制の整備、保安教育の充実、保安関連予算の確保、チェック体制(内部監査)の整備等について経営者として積極的に推進すること。
  自社における保安の取り組み状況についての自己認識・自己評価を行ない、その上で保安管理体制を見直し、評価が低いと判断した分野については、積極的に改善に努めるとともに改善実施状況の確認を行なうこと。

(2)保安確保に向けた自主行動計画の策定
  経営者自身の意識改革・表明、消費者の視点に立った「法令の遵守」、「保安の確保」を掲げた経営の基本方針、リスク管理体制の整備・事故情報の収集・連絡体制の整備、供給設備・消費設備の工事の基準、教育・研修体制の整備等の行動マニュアルの策定・周知等をまとめた自主行動計画を策定し、定期的に点検し、必要な見直しを行なっていくことが望まれる。

(3)事業所単位での保安確保
  事業所・営業所の責任者が保安業務の監督責任者としての自覚を持ち、業務主任者とともに保安確保の取り組みを確実に実践していくことが求められる。
  業務主任者は、自ら販売する場合の法令遵守はもちろんのこと、保安業務を委託した場合においても、当事者意識を持って保安業務が的確に実施されるよう対応することが求められる。
  各事業所での業務状況について、法令遵守と保安業務の適切な実施が行なわれているかを本部が確実に把握し、不足・不備があれば改めることができるよう、内部監査体制等の整備を図ることが必要。

(4)事業者および保安機関の義務の再認識
  保安機関による点検・調査の結果、事業者に対して改善が必要である旨の連絡があった場合は、速やかに対応し、その責務を果たすこと。
  事業者は、消費設備に係る事故、特に一酸化炭素中毒事故が起こった場合には、国民に対する事故リスク情報の公表の趣旨に鑑み、速やかに法律に基づく報告・届出を行なうこと。

(5)保安教育の確実な実施
  事業者は、その幹部の中から保安責任者を定め、保安教育が従業員に対して確実に実施されるようにすること。
  省令および関連告示の改正事項について周知徹底を図ること。
  KHKが実施する液化石油ガス設備士講習に関しては、受講基準に該当するか十分に確認すること。


  リスクマネジメントの導入

(1)ダブルチェック等による組織内の適切な管理
  事故や法令違反が発生するリスク等の要因の洗い出しの徹底、リスクの把握・認識、適切な対策の継続のリスクマネジメントの考え方を取り入れるよう努めること。

(2)リスク管理手法の導入
  PDCAサイクルの保安活動への導入に努め、内部監査により自社の保安業務の確実な実施を確認できるチェック体制を構築すること。


  事故防止対策

(1)一般家庭における消費者事故防止対策
  点検・調査の際や、何らかの不具合が発生した際の異常を知らせるサイン・問題事項を見落とすことがないよう、保安対策が適切に行なわれることが必要。
  一酸化炭素中毒防止に向け、法定周知を充実し、浴室や室内の換気を確実に行なうことや、不完全燃焼防止装置付きや屋外設置式の燃焼器具等への取り替え等の周知を徹底することを求める。
  開放式小型湯沸器および開放式ガスストーブを使用している消費者に対し、「換気の重要性」および「換気が不十分な状態で使用すると不完全燃焼による一酸化炭素中毒を起こし死亡事故に至るおそれがある」ことを、緊急にチラシ等で周知するとともに、消費者から要請がある場合には無償点検等を実施すること。
  告示で定める特定の強制排気式の燃焼器の排気状況の点検を確実に行なうこと。

(2)埋設管・機器等の事故防止対策
  白管等腐食しやすい供給管を使用している場合には、1年に1回以上漏えい試験を確実に行なうとともに、腐食しにくいPE管等への取り替えを促進すること。
  埋設されている供給管等の工事を行なう際は、酸欠等の事故の防止のため、外注先の特定液化石油ガス設備工事に係る届出、液化石油ガス設備士資格の有無および再講習の受講状況を確認すること等により、適切に監督すること。
  他工事業者による埋設管破損を防止するため、ガス供給設備周辺で他工事の計画がある場合は、確実に工事業者に知らせるように消費者に対して周知すること。
  マイコンメータ、調整器、高圧ホース、警報器等は、保安確保機能が確実に発揮されているか常に点検し、ガス漏れ等が発生する恐れがあるなど保安上の問題が発生する可能性がある場合には、確実に交換すること。また、交換作業終了後の検査を確実に行なうこと。
  調整器、マイコンメータ、バルクローリーの部品等機器の欠陥に伴うリコールが発生しているが、メーカー等と連絡を密にし、これら機器の交換を早急に行なうこと。
  検査孔付きガス栓については、定期消費設備調査時等の際に検査孔の蓋(ビス)の有無、締め付け確認等を行うことなどの措置を講じること。

(3)業務用厨房等における事故防止対策
  消費者に対して消費設備の技術基準の遵守および取り扱いの注意事項を十分に周知するとともに、不完全燃焼警報器(CO警報器)の設置や安全装置付き燃焼器具等の使用を消費者に勧めること(業務用LPガス保安ガイド等の有効活用)。

(4)営業譲渡時の保安業務の確実な実施
  事業者間で営業譲渡等が行なわれる際には、自社の保安業務の遂行に関して人員の確保、実施日数等について適切に判断した上で行なうこと。
  点検等の結果、技術基準等に不適合な供給設備等があれば速やかに改善すること。

(5)バルク供給に係る事故防止対策
  これまでに発生した事故事例やヒヤリハット事例を共有し、これらを教訓としての対策を含む事故防止対策に努めること。
  安全弁の交換を所定の期間内に確実に実施するとともに、維持管理を適切に行なうこと。
  安全弁を交換するときは、元弁構造に適した手順で行なうなど、事故再発防止の徹底を図ること。

(6)落雪事故防止対策
  適切な落雪対策を講じ、ガス漏れ等の事故を防止すること。
  高圧ガス保安協会の協力で作成した「雪害事故防止に向けて」等のチラシを活用し、消費者への注意喚起を図ること。


  自然災害対策

今後も事業者は「LPガス消費者地震対策マニュアル」(平成17年6月)を活用し、容器転倒防止の鎖がけのチェックやガス放出防止器の設置を励行すること。
都道府県協会と地方自治体との間の地域防災協定の締結等により、あらかじめ防災対応の体制を構築しておくこと。
LPガスに関しては、被災直後の情報収集・集約の迅速化が課題となっており、事業者は被災状況等の報告を都道府県に速やかに行なうこと。


行政立入検査対応

1. 経産省本省における最近の立入検査、行政処分等について
 
(1) 平成17年度
本省所管15事業所に対し立入検査実施
 
1) 行政処分
重大な法令違反が確認された2事業者(G社・Z社)に対して改善命令、一部業務停止等の行政処分実施
2) 行政指導
 
1. 点検等の未実施が多数確認された事業者に対し改善指示
2. 一般消費者に対する保安業務の緊急時対応の委託に関して問題のあった事業者について、当該事業者は過去にも行政指導を受けていたことから、厳重注意を行なった。

 
(2) 平成18年度
平成18年12月13日現在、本省所管17事業所に対し立入検査実施(パロマ除く)
 
1) 行政処分
*重大な法令違反が確認された1事業者(M社)に対して改善命等の行政処分実施
2) 行政指導
*厳重注意 1件(Z社)[平成19年2月にて1件(S社)追加発生]
*指示文書 1件(N社)
3) 要請文書等発出
 
液化石油ガス設備士免状不適正取得が判明し、管轄保安監督部長名で厳重注意を発出
当該販売事業者グループ他社でも同様事例判明のため、グループ親会社(I社)に保安院長名で厳重注意文書発出

2. 平成18年度
  産業保安監督部における行政指導事例について(平成17年度は事例なし)
 
(1) 関東東北産業保安監督部
本省所管15事業所に対し立入検査実施
 
1.S社: ガス漏れ通報を受けたが「容器切替時の異臭」と判断し、緊急時対応を行なわなかったため、火傷事故発生により厳重注意
2.F社: 立入検査にて17営業所で数多くの法令違反が認められ、厳重注意 

 
(2) 中部近畿産業保安監督部
 
E社: 風呂釜からのガス漏れ火災発生の原因が、設備士資格のない者が設置を行ない、接続管からガス漏洩したためと判明し、厳重注意

 
(3) 中部近畿産業保安監督部近畿支部
 
I社: 2事業所への立入検査にて、保安業務に不適切な点が認められたため、厳重注意

 
(4) 中国四国産業保安監督部四国支部
 
T社: 立入検査にて、保安業務に不適切な点が認められたため、改善指示書交付

立入検査に
おける
注意事項



立入前に保安管理状況を事業所責任者が十分確認しておくこと。
データ隠し、虚偽記載、虚偽報告は行なわないこと。
指摘事項については、直ちに措置・改善報告実施のこと。
立入通知から立入までの日数が少なくなる傾向であるため、日頃の保安管理が重要であり、定期的な自主管理の実施が必要。

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