HOME
> LPガス事業者の皆様へ >
LPガス動向
>
LPガスの保安技術
ガス機器の安全規制に関する保安動向
2007年は、昨年度からのガス機器に係る事故対策として、省令等改正および安全推進活動等の各種対策が強化され、平成19年度保安対策指針においてもガス機器安全対策が追加されました。LPガス販売事業者の方々は、当該対策の周知・徹底を図るとともに、さらなる安全の確保に努めていく必要があります。ついては、既に販売事業者の方々はご存知だと思いますが、再確認の主旨でこの度のガス機器に係る省令等改正動向について概要を記載いたします。
高圧ガス保安法関係
■事故報告要領の改正(ガス機器事故対応)
ガス機器事故対策として、事故報告要領について液石則が一部改正されました。
報告の徴収
(液石則第93条の2 新設)平成19年1月1日施行
□
液化石油ガス販売事業者は、特定消費設備
(ガスメータと末端ガス栓の間の配管その他の設備を除く消費設備)について、
次に掲げるいずれかの事故が発生したとき
は、
直ちに次の事項
について、電話・FAXその他適当な方法で、
管轄産業保安監督部長に報告
しなければなりません。
◆
報告を要する事故
*特定消費設備の使用に伴い人が死亡、または中毒あるいは酸素欠乏症となった事故
*特定消費設備から漏洩したガスに引火することにより発生した負傷または物損事故
◆
必要報告事項
*事故発生日時および場所
*概要
*原因
*当該事故に係る特定消費設備の「製造者または輸入者の名称」「機種」「型式」「製造年月」
*「機種」については、通達にて記載要領を明示
*その他参考となる事項
※不明事項の報告
報告事項で不明な点がある場合は、「不明」であることを明確化して直ちに報告とする。なお、当初報告時点において「不明」と報告した事項は、新しい情報が入り次第、追加報告をすること。追加報告実施期間は、都道府県が経済産業省に報告実施の「事故発生日から10日」とし、以後は都道府県に報告とする。
◆
報告の方法
*
直ちに報告(24時間以内 可能な限り速やかに)のため、報告様式は定めず、電話・FAX等で実施とする。
事故届
(液石則第96条 改正)平成19年1月1日施行
□
特定消費設備に係る事故
について、
都道府県知事に事故を届け出る場合
は、
様式第57の2の事故届書
(他の事故の場合は、従来の様式第57)
にて提出
しなければなりません。
※都道府県知事は、上記事故届書に基づき産業保安監督部長に事故報告書を提出となります。
□
様式第57の2による必要報告事項
*事業所名称および所在地、事務所(本社)名称
*事故発生年月日
*事故発生場所
*事故の状況
*特定消費設備の「製造者または輸入者の名称」「機種」「型式」「製造年月」
*「機種」については、通達にて記載要領を明示
*
特監法第6条の規定による表示に基づく「工事業者の氏名または名称および連絡先」「監督者の氏名」「資格証の番号」「施工内容および施工年月日」
※不明事項の報告
報告事項で不明な点がある場合は「不明」を明確化して報告とする。ただし、以後回答または追加報告実施とする。
□
以上、従来と比してかなり詳細な報告が義務付けされました。
(参考)
経済産業省への報告は、速報としての位置付けであり、都道府県知事への事故届は事故原因究明・再発防止対策等として詳細情報提出が目的のため、各々報告が必要であり、該当事故の場合は当初両方の報告が義務付けとなります。
液化石油ガス法関係
■ガス機器事故関係省令等基準改正概要
昨年度におけるガス機器事故の対策として、液石法施行規則および特監法施行規則が改正されましたので、概要について記載いたします。
緊急時におけるガス消費機器調査の義務付け追加
(液石法施行規則第29、37条 改正)
□
緊急時におけるガス消費機器調査の義務付けとして、施行規則37条(消費設備の調査の方法)第3号に「
消費設備の使用による災害が発生する恐れがある場合
で、特に必要があると認めるときは、経済産業大臣の定めるところにより
調査を求めることができる
。」の規定が追加となりました。
【平成19年1月1日施行】
□
上記基準追加に伴い、第29条(保安業務区分)にて当該第37条第3号の調査業務が追加となりました。
【平成19年1月1日施行】
消費設備調査項目の追加
(液石法施行規則第37、44条 改正)
□
施行規則第44条(消費設備の技術上の基準)第1号ムとして、
「排気の確認」
が下記のとおりとして
追加規定
されました。【平成19年4月1日施行】
□
強制排気式の燃焼器であって告示で定めるもの
は、ガスを燃焼した場合において
正常に
当該燃焼器から
排気が排出されること
。
[告示で定めるもの]
下記37機種が指定されました。
●パロマ工業製 10機種 ●陽栄製作所製 24機種 ●リンナイ製 2機種 ●鳥取三洋電機製 1機種
[告示指定とした基準]
(1)
逆風止め上部に、排気を強制的に排出する扇(ガス機器本体に内蔵されるものに限る)を取り付けているもの
(2)
排気が逆流し、逆風止めから排気が溢れた場合に、温度を検知して作動するバイメタル式の排気溢れ防止装置を有するもの
(3)
機器の点火に交流電源を使用しない、圧電自動点火装置を有するもの
□
前記の通り施行規則第44条(消費設備の技術上の基準)第1号にム(排気の確認)が追加されたため、第37条(消費設備の調査の方法)第1号表イ(2)およびロ(3)において、
調査業務に当該「排気の確認」が調査項目として追加
となりました。【平成19年4月1日施行】
◆
調査(確認)の方法については、通達にて下記の方法とされました。
(1)
次の各基準すべてに適合していれば、正常に排気が排出されていることを確認したとみなし、燃焼器に「使用時は必ず電源プラグ接続」の注意喚起用ステッカー(右)を貼付する。
1.
2.
3.
別途定める通電時検査に合格していること。
別途定める停電時検査に合格していること(指定するパロマ工業製3機種に限る)。
指定された陽栄製作所製9機種については、所定のステッカーが貼付されていること。
(2)
前記1の基準に適合していない場合は、使用者に使用しないよう要請するとともに、製造メーカーに速やかに連絡する。
(3)
消費生活用製品安全法にて緊急命令が発出されているパロマ工業製の7機種については、使用者に使用しないよう要請するとともに、パロマ工業に速やかに連絡し、回収を依頼する。
※
内容積20リットル未満容器での消費設備および移動して使用の消費設備以外の質量販売消費設備についても、第44条第2号イ(9)にて前記第1号ムの基準に適合が追加規定されました。
帳簿記載事項の追加
(液石法施行規則第131条 改正)
□
施行規則第131条(帳簿)第2項表において、
供給開始時点検・調査および定期消費設備調査における記載すべき事項
として、
下記の項目が追加規定
されました。【平成19年4月1日施行】
*調査に係る燃焼器の製造者または輸入者の名称
*調査に係る燃焼器の型式および製造年月
※不明事項の記載
記載事項で不明な点がある場合は「不明」として記載はやむを得ないが、製造者等に照会の上、不足情報について把握することが望まれる。また、調査未実施の燃焼器との違いを明確に確認できるようにしておくこと。
□
施行規則第131条(帳簿)第2項表において、法第34条ただし書きの
定期供給設備点検・定期消費設備調査を行なわなかった場合
、
下記の項目を記載
することが
追加規定
されました。
【平成19年4月1日施行】
*承諾を得ることができなかった一般消費者等の氏名または名称および住所
*承諾を求めた者の氏名
*承諾を求めた年月日
なお、上記の記載により調査点検が免除はされません。
□
施行規則第131条(帳簿)第5項において、販売事業者自らが調査を行なった場合も、帳簿の保存期間が次回調査までとすることが、追加規定されました。【平成19年4月1日施行】
特定ガス消費機器の軽微な工事の改正
(特監法施行規則第2条 改正)
□
特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律施行規則第2条(軽微な工事)において、
特定ガス消費機器に該当する燃焼器で告示で定める安全装置
は、
機能の変更を伴わない工事に限定して、軽微な工事
とされました。【平成19年4月1日施行】
□
従って、
告示で定める安全装置の機能の変更を伴う工事
は、
有資格者の監督下での実施が必要
となります。
□
告示で定める安全装置は、次の通りとなる予定です。
(1)
パイロットバーナー(常時燃焼型でないパイロットバーナーまたはパイロットバーナーなしのものは、メーンバーナー。 以下「パイロットバーナー等」という)に点火しなかった場合およびパイロットバーナー等の炎が立ち消えした場合に、自動的にバーナーへのガスの通路を閉ざす装置(パイロットバーナー等に自動的に再点火し、一定時間経過後も再点火しないときに、バーナーへのガスの通路を自動的に閉ざす装置を含む)
(2)
排気部の出口以外から排ガスが流出したときに、バーナーへのガスの通路を自動的に閉ざす装置
(3)
不完全燃焼する状態に至ったときに、バーナーへのガスの通路を自動的に閉ざす装置
特定工事の監督の方法改正
(特監法施行規則第3条 改正)
□
特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律施行規則第3条(監督の方法)にて、
有資格者が監督する特定工事実施の場合
、「
特定ガス消費機器の安全装置は、機能を喪失させてはならない
ことを指示する」とされました。【平成19年4月1日施行】
その他
□
前記までの各改正事項の他、ガス燃焼器製造事業者に対しては、
製造基準に係る事項の各種改正が実施
されました。
□
その他、「消費生活用製品安全法」が改正され、
ガス燃焼器製造事業者
を含む消費生活用製品製造事業者に対し、
事故発生時の報告義務
が課せられ、
事故の公表制度
も定められました。
□
LPガス販売事業者
に対しては
次の事項が責務
とされました。
*一般消費者への製品事故情報の提供に努める
*重大製品事故発生を知ったときの製造事業者への通知
*製造事業者等が行なう危害発生・拡大の防止措置への協力
■ガス機器事故関係 今後の事故防止強化策動向概要
開放式小型湯沸器・金網式ストーブ事故等を踏まえ、CO中毒事故等の防止強化策が経済産業省より公表されましたので、概要について記載いたします。
使用者への注意喚起強化
□
使用者への
注意喚起を徹底する対策を強化
しました。
(1)
年1回の「製品安全総点検週間」の実施に加え、毎月第二火曜日(「火2注意」)を「製品安全点検日」とし、製品の安全な使用法等について消費者への注意喚起を強化しました。
●消費者啓発セミナーの開催
●経済産業局および産業保安監督部による周知活動の実施
●関係業界における消費者啓発活動の展開
(2)
「製品安全啓発緊急シンポジウム」の開催。
(3)
新聞広告等によるCO中毒防止対策等への注意喚起(3月中に実施)。
(4)
全国5,100万世帯への、換気の必要性についての回覧板・パンフレットの配布等について、自治体や消費者センター等の関係機関に協力要請。
(5)
その他、各方面の協力を得て、消費者への注意喚起を実施。
(6)
従来「換気の重要性」のみ周知してきた関係業界に対し、「死に至る危険性」も周知するよう要請。ガス事業者およびガス機器メーカーは、緊急周知を実施(新聞広告、TVCM、チラシ等)。
(7)
ガス事業者およびガス機器メーカーは、開放式小型湯沸器・金網式ストーブ等については、緊急周知を通じて需要家の要請による緊急無償点検を実施する。
安全規制の強化
(1)
ガス事業者の
法定周知
に、不完全燃焼防止装置付開放式小型湯沸器に係る
注意事項
(不点火の際、連続して再着火不可の注意喚起)を
追加
し、
周知頻度も高める
。[年1回に改正の予定]
(2)
ガス用品の技術基準をより厳格化する方向で改正予定。
*
*
*
開放式小型湯沸器および開放式ストーブへの再着火防止装置(インターロック機能)の搭載の義務化
湯沸器におけるCO排出量基準の厳格化
「換気しないと死に至るおそれがある」旨の警告表示を義務化
(3)
開放式小型湯沸器の安全性向上のための技術的検討を実施。
(4)
リンナイの事故原因究明、緊急無償点検等の結果を踏まえ、必要があれば、さらなる対策の強化を検討。
安全機器への取り替えの加速化
□
産業界による消費者への支援。(3月22日に関連4業界団体共同で発表)
(1)
1月から実施している不完全燃焼防止装置なしの湯沸器および風呂釜の
不完全燃焼防止装置付への取り替え促進
に、
金網式ストーブを追加
。
(2)
不完全燃焼防止装置付開放式湯沸器
であっても、「注意喚起」の一環として実施している
緊急無償点検
により、
COを高濃度で排出されていることが判明した場合
には、
取り替え促進の対象
とする。
(3)
経済産業省として、開放式小型湯沸器および金網式ストーブの
点検・取り替え進捗状況
について、
定期的にガス事業者およびガス機器メーカーから報告
を受け、フォローアップ。
事故情報公開の徹底
□
ガス事業者およびLPガス事業者から報告された過去の消費設備に係る事故案件について、メーカー名および型式名を公表。(公表済)
長期使用機器に対する制度的対応の検討
□
ガス機器等の
長期使用機器
に対する経年劣化等による製品事故を防ぐための
制度的対応について、長期的に検討
します。
「あんしん安全ガスコンロ」化対応
□
ガスコンロによる火災は、毎年火災発生の主原因の一つとされ(ガス事故統計には含まれていない)、従来より行政庁より対策を求められていました。
□
この度、
家庭用として出荷されるガスコンロ
には、調理油過熱防止装置(あげルック)とタイマー(グリル消し忘れ消火機能)を搭載し、合わせて調理性も確保していくこととして、平成20年3月を目標期限にて
全製品の製造を「あんしん安全ガスコンロ」に移行
していくこととなりました。
□
ガスコンロへの
安全装置搭載
ならびに
調理性確保のための仕様
等は、
下表の通り
とする予定です。
□
前記より、現行では
「ガスこんろ」
は液石法にて「液化石油器具等」に指定されていないが、これを
規制対象品目として指定
し、調理油過熱防止装置等の
安全装置の搭載を義務付ける
予定となりました。
□
改正内容としては、以下の措置が予定されています。
●
液石法施行令別表第1(液化石油ガス器具等)に次の規定を追加する。
液化石油ガスこんろ、液化石油ガスグリル付こんろ、液化石油ガスレンジ、液化石油ガスクッキングテーブル(ガスこんろ部のガス消費量が14kw以下のものに限り、充填した容器が部品または附属品として取り付けられる構造のものを除く)
●
施行令改正に併せ、技術基準省令を改正し、型式の区分および技術基準の別表にガスこんろに係る規定を追加する。
1. 立ち消え安全装置
2. 調理油過熱防止装置
コンロ
種 別
あんしん安全化対応の概要
(調理油過熱防止装置+タイマー)
標準仕様ならびにJIA技術基準等への反映
一口
(ビルトインタイプ)
調理油過熱防止装置とタイマーを搭載する。
搭載を必須基準とする。調理性に関する性能基準を規定する。
(移動型)
自主検査受検率・使用実態から、調理油過熱防止装置搭載を推奨する。
搭載を必須条件としないが、搭載されるものの検査基準は規定する。
二口
三口
全コンロバーナーに調理油過熱防止装置とタイマーを搭載する。
グリルについてもタイマーを搭載する。
コンロへの調理油過熱防止装置+タイマー搭載を必須基準とする。調理性に関する性能基準を規定する。
グリルタイマーも必須基準とする。
四口
自主検査受検率・使用実態から、
調理油過熱防止装置搭載を推奨する。
搭載を必須条件としないが、搭載
されるものの検査基準は規定する。
1. ガス機器の製造基準の厳格化
□
ガス機器の製品欠陥上の事故発生を受けて、「消費者製品安全法省令等」の改正が実施され、
製造基準の強化が図られました
。
2. 保安業務の徹底および強化
□
ガス機器の使用状態における安全確認の強化として、「液化石油ガス法省令等」にて保安業務である
点検・調査の実施項目が一部(告示で定めた機種について排気の確認実施)追加
され、
調査実施後はステッカー貼付
が必要とされました。
□
事故発生時の原因調査・解析の必要データとして、保安業務である点検・調査時に、ガス機器等
特定消費設備の「製造者等」「機種」「型式」「製造年月」の確認・記録の実施
が「液化石油ガス法省令等」にて
義務付け
られました。
□
「液化石油ガス法省令等」において、
緊急時
(消費設備の使用による災害が発生する恐れがある場合で、特に必要と認めるとき)には、
行政より保安機関に対し調査を求めることができる
とされました。
3. 特定消費設備の事故発生時の報告・届出の強化
□
特定消費設備の事故発生時には、
速報として経済産業省(管轄産業保安監督部)に報告
(様式に定めはないが、必要報告事項を規定)することが、「高圧ガス保安法省令」にて
義務付け
されました。
□
特定消費設備の事故発生時には、経済産業省への報告と併せ「高圧ガス保安法省令」に基づく都道府県への
事故届出についても報告必要事項が追加規定
され、従来よりも詳細な報告(事故届出様式も変更)が必要となりました。
□
ガス燃焼器製造事業者
は、「消費者製品安全法省令等」により
事故発生時の報告が義務付け
されました。
□
事故発生においては、
事故の公表制度が規定
されました。
□
LPガス販売事業者
については、
「一般消費者への製品事故情報の提供」「重大製品事故発生時の製造事業者への通知」「製造事業者等への危害発生・拡大防止措置の協力」が責務
とされました。
4. 特定ガス消費機器の軽微な工事の規制強化
□
「特監法省令」において、
特定ガス消費機器に該当する燃焼器についての、告示で定める安全装置の軽微な変更工事は、機能の変更を伴わない工事に限定
されました。
□
従って、
機能の変更を伴う工事は軽微変更と見なされず、有資格者の監督下での実施が必要
となり、かつ、機能を喪失させてはならないことが規定されました。
以上の通り、LPガス販売事業者および保安機関においては、今後ガス機器事故の防止および事故発生時の対応で必要な措置を実施していくことが重要であり、さらなる保安管理の実施が望まれます。
このため、一般消費者等に対する信頼確保および実態把握のためにも、定期点検・調査時等に点検・調査実施とせず、できるだけ早く総点検・調査を実施することが望ましいと考えられます。