HOME
> LPガス事業者の皆様へ >
LPガス動向
>
LPガスの保安技術
平成18年度 液化石油ガス販売事業者等保安対策指針について
平成18年度の「液化石油ガス販売事業者等保安対策指針」が保安院より公表されましたので、概要をご紹介いたします。17年度は事故発生件数が16年度に続き高レベルで推移しているほか、重大な法令違反、虚偽報告などが認められ、LPガス関係事業者への社会の信頼が損なわれる事態にもなっております。本指針をご精読の上、今いちど経営者を中心に全社員にわたる、保安確保の意識徹底を図りましょう。
※詳細内容については、経済産業省ホームページまたは都道府県協会にお問い合わせください。
保安対策指針の考え方
この「保安対策指針」は、事業者および保安機関に対して、事業遂行の前提である法令の確実な遵守と適切な保安対策の実施を図り、加えて時代の要請に応じて自主保安の高度化を一層推進し、もって一般消費者等に係る適切な保安の維持・確保を図ることを要請するために策定するものである。
平成17年度の液化石油ガス事故発生状況
(1)事故発生状況
件数としては、前年と同数の105件であり、引き続き高水準となっているが、B級以上の事故は1件で前年より5件減少、死者も1人と前年より1人減少し、液化石油ガス事故の死者としては、過去最も少ない人数となった。
(2)事故の背景にある法令違反
1.
飲食店等の業務用厨房における法令違反
定期点検・調査未実施、ガス漏れ警報器設置義務違反等があった。
2.
質量販売に係る違反
10kg容器での質量販売、容器の配管接続義務違反等があった。
3.
埋設管工事に係る法令違反
埋設管の点検未実施、設備工事の際の監督不十分があった。
(3)虚偽の報告等重大な法令違反への対応
保安院が立入検査を行なった結果、複数の事業所において保安に係る帳簿への虚偽の記載、多数の保安点検業務の未実施等重大な法令違反が認められた。これらの法令違反に対しては、保安院は、保安業務の改善命令、液化石油ガス販売事業の一部停止命令等の行政処分ならびに改善指示および厳重注意の行政指導によって厳正に対処した。
事業者および保安機関が講ずべき具体的な保安対策
最近の動向、立入検査の結果等を踏まえ、以下の4項目を事業者および保安機関に要請する。また、引き続き立入検査を実施するとともに、経営者から保安に対するコミットメント、保安業務の具体的な実施状況、リスクマネジメントの状況等について聴取することとする。
なお、平成18年度の立入検査においては、法定保安業務の実施状況(供給設備点検および消費設備調査等の実施状況)、保安に係る帳簿等の記載状況および14条書面交付状況等の法令遵守状況を重点的に確認する。
(1)法令遵守の徹底
1.
経営者の保安確保へ向けたコミットメント
法令遵守を推進するため、経営者が自ら社内外に保安に対する姿勢を明確に表明(コミット)し、保安確保の指導力を発揮すること。そのための対策の一つとして、経営者は「原子力安全・保安院長表彰制度評価表」を活用する等により、自社における保安の取組状況についての自己認識・自己評価を行ない、その上で保安管理体制を見直し、評価が低いと判断した分野については積極的に改善に努めるとともに改善実施状況の確認を行なうこと。
2.
業務主任者の職務の的確な遂行
業務主任者の職務は液石法施行規則第24条に規程されているとおりであり、自ら販売する場合の法令遵守はもちろんのこと、保安業務を委託した場合においても当事者意識を持って保安業務が的確に実施されるよう対応することが求められる。
最近の立入検査結果においては液石法第14条に基づく書面の交付、保安業務の実施確認、帳簿記載や報告内容についての監督不足等、業務主任者が十分にその責任を果たしていない事例がある。業務主任者は液石法における重要な位置づけを認識し、法令遵守を基本に保安の確保に努めること。
3.
事業者および保安機関の義務の再認識
保安業務を保安機関に委託している場合、委託元と委託先のそれぞれの義務について再認識をすることが必要である。保安機関による点検・調査の結果、販売事業者に対して改善が必要である旨の連絡があった場合には、速やかに対応すること。
4.
保安教育の確実な実施
事業者においては、その幹部の中から保安責任者を定め、人員配置およびローテーション等に配慮して、保安教育が従業員に対して確実に実施されるようにすること。また、年間保安教育計画を策定し、これを確実に実施すること。
(2)リスクマネジメントの導入
1.
ダブルチェック等による組織内の適切な管理
事業者および保安機関においては、自社が管理している保安業務等に内在する事故や法令違反が発生するリスク等の要因の洗い出しを徹底して行なうことにより、現場実態で異なるそれぞれのリスクを把握・認識し、適切な対策を継続して行なうリスクマネジメントの考え方を取り入れるよう努めること。
2.
リスク管理手法の導入
事業者および保安機関においては、保安確保の目標を定め、その管理手法としてPDCAサイクルという継続的な管理システムの自社の保安活動への導入に努めること。その際、内部監査は法令遵守の徹底の観点から重要であり、内部監査により自社の保安業務の確実な実施を確認できるチェック体制を構築すること。
(3)事故防止対策
1.
業務用厨房等における事故防止対策
近年増加傾向にある業務用厨房における事故を減少させるため、事業者等は消費設備調査を確実に実施し、消費者に対して取り扱いの注意事項を十分に周知するとともに、不完全燃焼警報器の設置や安全装置付き燃焼器具等の使用を消費者に勧めること。その際、保安院とLPガス安全委員会が協力して作成した業務用LPガス保安ガイド「安全・安心にお使いいただくために 活用版」により、安全チェックのポイントを説明するなど有効活用を図ること。
2.
営業譲渡時の保安業務の確実な実施
一時期に集中して第14条書面交付や供給開始時点検・調査等の保安業務を実施する必要が生じる場合があるが、自社の保安業務の遂行に関して人員の確保、実施日数等について適切に判断した上で行なうこと。またその実施状況について、事業所において確実に確認すること。
3.
バルク事故防止対策
普及が進んでいる一方で、ヒューマンエラーまたは設備面での不具合を原因とする事故も発生していることから、これまでの事故事例やヒヤリハット事例を共有し、これらを教訓として対策を含む事故防止対策に努めること。また、安全弁の交換を所定の期間中に確実に実施するとともに、維持管理を適切に行なうこと。
4.
埋設管・機器等の事故防止対策
依然として多い埋設管事故防止のため、PE管等への取り替え促進、供給管工事の際の適切な監督を行ない、さらに供給設備付近での他工事が行なわれる際は確実に工事業者に知らせるように消費者に周知を行なうこと。
また、平成17年度には、調整器、マイコンメータ、バルクローリーの部品等機器の欠陥に伴うリコールが発生しているが、メーカー等と連絡を密にし、これら機器の交換を早急に行なうこと。特に、東京ガス(株)が点検を実施しているガス栓と同タイプのガス栓については、消費者の設置状況の把握とその対策を早急に行なうこと。
5.
一般家庭における消費者事故防止対策
事業者および保安機関において、点検・調査の際や何らかの不具合が発生した際の異常を知らせるサイン・問題事項を見落とすことがないように保安対策が適切に行なわれるとともに、一般消費者の保安意識の向上・醸成を図ることが重要である。
6.
落雪事故防止対策
冬季の積雪寒冷地での落雪による事故が多発しているが、特に平成17年度は“平成18年豪雪”による被害が増大していることから、今回の被害を教訓に、適切な落雪対策を講じ、ガス漏れ等の事故を防止すること。
(4)自然災害対策
1.
防災対策
事業者は、「LPガス消費者地震対策マニュアル」(平成16年3月改訂)を活用し、容器転倒防止の鎖がけのチェックやガス放出防止器の設置を励行すること。また、都道府県協会と地方自治体との間の地域防災協定の締結により、あらかじめ防災対応の体制を構築しておくこと。
2.
迅速な情報収集等
震度5以上の地震や豪雨等の災害が発生した場合には、迅速な被害状況の把握が必要であるため、液化石油ガスに関しては、被災直後の情報収集・集約の迅速化が課題となっている。被災地に対する早急な復旧支援を行なっていくため、事業者は被災状況等の報告を都道府県に速やかに行なうこと。