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2004年 液化石油ガス法 バルク供給設備関係基準の改正について
作成日 04.04.01
バルク貯槽(貯蔵量1トン以上3トン未満)の保安距離改正
【改正概要】
バルク貯蔵設備からの保安距離は、従来貯蔵量1トン未満のバルク貯槽のみ緩和措置が規定されていましたが、この度
平成16年4月1日より貯蔵量1トン以上3トン未満のバルク貯槽について保安距離が緩和
されました。
【改正内容】
(液石法規則54条2号ロ(1)(2)、バルク告示2条3項)
バルク貯蔵設備の保安距離は、次のとおりとなりました。
【保安距離短縮措置を実施しない場合】
【保安距離短縮措置実施の場合】
T.バルク貯槽
@貯蔵量1トン以上3トン未満バルク貯槽(今回改正)
[地下埋設方式](従来通り)
地下埋設とした場合は、保安距離を0mとすることができる。
[構造壁設置方式](今回改正)
次の各要件を満たす構造壁を設置した場合
は、
構造壁設置側に対し保安距離を短縮することができる
。
バルク貯槽の外面から横の長さが7m以上長い構造
(他の構造壁と接する側を除く)であり、かつ、
高さが7m以上高い場合
は、保安距離0mとすることができる。
但し、
構造壁の長さと高さは
、
バルク貯槽の外面から構造壁端部までと当該構造壁端部から保安物件までの最短距離の和が7m以上
とすることができる。
開口部がない
こと。
地盤面に接して設置
すること。
最大2方向
まで設置可。
建物の外壁が構造壁と同等以上の性能を有する場合
は、
構造壁とみなし
上記構造壁と同様の
保安距離短縮ができる
。
[障壁設置方式](従来通り)
鉄筋コンクリート障壁等を設置した場合は、障壁等設置側は保安距離0mとすることができる。
但し、鉄筋コンクリート
障壁等が設けられていない側の保安距離は、第1種保安距離16.97m以上・第2種保安距離11.31m以上を有すること
。
貯蔵量1トン以上3トン未満バルク貯槽設置の場合の参考図
[解説]保安距離緩和の場合の方法で、難解の点がありますので解説します。
T.保安距離の考え方
保安距離の種類
LPガス貯蔵設備からの
保安距離には、下記の2種類が存在
します。
貯蔵設備本体からの漏洩ガスにより火災状態の場合、周囲の保安物件の安全を確保する距離、又は周囲の保安物件が火災状態の場合、貯蔵設備の安全を確保する距離
(火災による影響からの安全確保用保安距離)
貯蔵設備本体からの漏洩ガスが爆発した場合、周囲の保安物件の安全を確保する距離
(爆発による影響からの安全確保用保安距離)
従来の保安距離規定
貯蔵量
1トン未満バルク貯槽は、前@.1項の保安距離
を採用して必要保安距離が規定されています。
保安距離緩和用構造壁は、火災からの安全確保用の耐熱壁(JIS A 1304(1994)に規定される30分加熱実験に合格する性能の壁)である。
貯蔵量
1トン以上バルク貯槽は、前@.2項の保安距離
を採用して必要保安距離が規定されていました。
保安距離緩和用障壁は、爆発からの安全確保用の保護障壁(液石法施行規則例示基準2.障壁の1.項において「厚さ12cm以上の鉄筋コンクリート造り又はこれと同等以上の強度を有する構造の障壁」として規定されている障壁)である。
改正による貯蔵量1トン以上3トン未満バルク貯槽の保安距離
規定
基本的には
@.1項に基づく保安距離を採用
することとし、今回保安距離が緩和されました。
保安距離7mは、火災実験等を実施して安全を確認した距離である。
但し、
従来においては前@.2項の保安距離を採用
しており、かつ、
保安物件が保安距離内に3方向以上存在する場合
は、
構造壁使用不可であるため障壁設置
となるが、
障壁設置の場合は前@.2項の保安距離対応
であることから、
障壁が設置されていない方向については、前@.2項に基づく保安距離(第2種保安距離=11.31m以上)確保を要する
とされた。
U.保安距離緩和措置の実務対応方法について
構造壁による緩和措置
構造壁設置によりバルク貯槽と保安物件の距離を0mとする場合
は、バルク貯槽上面より7m以上の高さ(
地盤面からは約9m)の構造壁設置となり、実質上は設置困難
であると推定されます。
以上より、
実務的にはバルク貯槽と保安物件の距離を迂回距離(水平及び高さ)にて7m以上確保
することにより、保安距離短縮を図る方法となります。
障壁による緩和措置
構造壁による緩和措置は、保安物件が2方向以内に限定されるため、
3方向以上保安物件が保安距離内に存在する場合は、障壁設置により保安距離短縮
を図る方法となります。
構造壁による保安距離短縮は迂回距離にて7m以上確保となり、
保安物件の設置状況によっては構造壁設置不可となる場合
も考えられるが、障壁による保安距離短縮は、
有効な遮蔽措置を障壁にて講じれば設置可能となる場合も存在する
と推定されます。
保安距離短縮の場合は、
構造壁と障壁を併用して使用は認められておらず
、何れか一つの方法により措置実施となります。
A貯蔵量1トン未満バルク貯槽(従来通り)
[地下埋設方式](従来通り)
地下埋設とした場合は、保安距離を0mとすることができる。
[構造壁設置方式]
次の各要件を満たす構造壁を設けた場合は、構造壁設置側に対し保安距離を0mとすることができる。
構造壁は、バルク貯槽の外面から横の長さが1m以上長い構造(他の構造壁と接する側を除く)であり、かつ、高さが1m以上高い構造であること。
開口部がないこと。
地盤面に接して設置すること。
最大2方向まで設置可。
建物の外壁が構造壁と同等以上の性能を有する場合は、構造壁とみなし上記構造壁と同様の保安距離短縮をすることができる。
B貯蔵量3トン以上バルク貯槽(従来通り)
鉄筋コンクリート障壁等設置又は地下埋設とした場合は、障壁等設置側は第1種保安距離13.58m以上・第2種保安距離9.05m以上とすることができる。
U.バルク容器
@貯蔵量1トン未満バルク容器(従来通り)
保安距離規制の規定なし。
A貯蔵量1トン以上3トン未満バルク容器(従来通り)
鉄筋コンクリート障壁等を設置した場合は、障壁等設置側は保安距離0mとすることができる。
B貯蔵量3トン以上バルク容器(従来通り)
貯蔵量3トン以上は、存在しないとして規定せず。
バルク供給設備事故に係る基準改正
バルク供給設備における事故が発生していることから、
KHK自主基準「S 0738 LPガス設備設置基準及び取扱要領(2004)」(青本)において、下記のとおりバルク供給に係る基準が一部改正
され、事故防止を図ることとなりました。
1 バルク火災対策
【改正理由】
喜多方市で発生したバルク貯槽火災は、焼却炉の火が延焼したことが要因であるが、バルク貯槽周辺にまで廃材等の可燃物が大量に置かれていたことが延焼拡大の原因であるため、同様な
火災に係る再発防止対策を図る
。
【改正内容】
(青本 X.民生用バルク供給編 第1章1.7.4、第2章2.1.1 8)9)、第3章3.2)
下記の注意事項が、青本に追加記載
された。
バルク貯槽等の設置場所は、周辺に可燃物等のない又は置かれる恐れのない場所とする。
バルク貯槽等の周辺に可燃物等が置かれていないことを、定期的に確認すること。
バルク貯槽等設置先消費者へ可燃物等を置かないように依頼する。
バルク貯槽等周辺に可燃物等が置かれている場合は、可燃物等を除去するように依頼すること。
2 液面計等附属機器漏洩事故対策
【改正理由】
北上市で発生したバルク貯槽(縦型500kg)の液面計からの漏洩事故は、液面計表示部交換作業実施時に、作業者がバルク貯槽の構造を理解せずに表示部を固定しているビスでなく、
液面計本体とバルク貯槽を固定しているフランジ部のボルトを緩めた
ことが原因である。
同様な事故に係る再発防止対策を図る
。
【改正内容】
(青本 X.民生用バルク供給編 第3章3.3)
下記の注意事項を、青本に追加記載
された。
バルク貯槽等の内部にLPガスが充てんされている状態で、耐圧部分を有する液面計(附属機器)のフランジ部を取り外さないこと。
液面計の表示部を取り外すときは、バルク貯槽等の専門的知識を有する者が実施又は現場で監督し、取扱説明書等に従い表示部のみを取り外すこと。
液面計のフランジ部は、耐圧部分であるので通常の使用状態(LPガスが充てんされている状態)では操作しないこと。
3 いたずら防止対策
【改正理由】
淡路島で発生したバルク貯槽非常用液取出弁からの漏洩事故は、
供給管に接続されていない液取出弁が「いたずら」により故意に開けられた
ことが原因であり、
同様な液取出弁からの漏洩事故が数件あることから再発防止対策を図る
。
【改正内容】
(青本 X.民生用バルク供給編 第1章1.2 2)、1.3 2)、第2章2.1.1 6))
下記の注意事項が、青本に追加記載
された。
供給管に接続されていない液取出弁及びガス取出弁には、容易に液又はガスが放出されないように金属製のプラグを施すこと。
4 過充填防止対策
【改正理由】
東京都新小岩で発生した漏洩事故は、
2基のバルク貯槽
が液相ライン及び気相ラインそれぞれ接続され、ベーパライザーが設置されていたが、ベーパライザー停止(管理不備により水位低下)が発生した後もガス消費が継続されたことから、
互いのバルク貯槽で圧力差が生じて液移動が起こり、1基が過充填状態となり
、気相ラインに設置された調整器に液状LPガスが流れ込んで調整器安全弁からガスが放出された。
長野県長野市で発生した漏洩事故は、
2基のバルク貯槽
のマルチバルブの充填口近傍に銅パイプが接続(均圧用→本来の設置位置ではない)されていたため、充填時に銅パイプを通じて
他方のバルク貯槽に液が流れ過充填状態となり
、気相ラインに設置された調整器に液状LPガスが流れ込んで調整器安全弁からガスが放出された。
【改正内容】
(青本 X.民生用バルク供給編 第1章1.7.5、第2章2.1.1 7))
改正理由に記載した漏洩事故の他、
バルク貯槽複数設置の場合は過充填状態となった例が報告されている
(互いのバルク貯槽で液温に相違が生じた場合等)ことから、
下記の注意事項が青本に追加記載
された。
バルク貯槽は、液移動による過充てん状態を防止するため、複数のバルク貯槽を接続して設置しないこと。
既に複数のバルク貯槽を接続して設置している設備又はやむを得ず複数のバルク貯槽を設置する場合は、「青本X.民生用バルク供給編 第1章1.7.5の解説3)@AB」の何れかの措置を講じるとともに、適切に維持管理を行うこと。
液取入弁を含むマルチバルブで、液取入弁付近に銅パイプを設置した場合に他方のバルク貯槽に液が流れる構造のマルチバルブには、銅パイプを接続しないこと。