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LPガスの保安技術

LPガスの保安技術 > 高圧ガス保安法関係  
高圧ガス保安法関係改正概要 【液化石油ガス保安規則関係】 2005年改正概要

作成日 05.10.1


  保安検査方法の見直し(H17年3月31日施行)

[液石則80条、保安検査告示表第2号、第5号]


【改正主旨】

高圧ガス製造事業所の保安検査方法は、従来省令別表にて詳細に規定されていたが、設備の規模・状況に関らず一律に検査方法が適用されている等不合理な事項がありました。
このため、実効性のある合理的な検査方法とするため、見直しが実施されました。

【改正内容】


1 改正後の法体系
保安検査方法に係る基準は、下図のとおりの法体系にて規定されました。
img_file_s1-1-6.JPG

2 適用年月日及び経過措置
  1. 適用年月日:2005年3月31日

  2. 経過措置:
    1. 2006年3月31日までは、従前の保安検査方法にて実施することが出来るとされました。

    2. 液石則において、開放検査周期の規定(液石則別表第3第1項第17号ただし書きに係る耐圧試験の適用除外の期間)は、従前の周期にて実施することが出来ると規定され、当該規定に基づき「保安検査の方法を定める告示(以下「保安検査告示」という)」にて定めてられた「KHK S 0850-2&6(2004) 保安検査基準」(以下「KHK検査基準」という。)において、常温高圧LPガス貯槽は従前の周期にて開放検査を実施した後、以後KHK検査基準にて定めた周期とするとされました。

3 高圧法における保安検査の規定
高圧法における保安検査は、行政庁等が実施する方法と、事業所が認定保安検査実施者となって自ら実施し行政庁に報告する方法があるが、LPG業界においては現状認定保安検査実施者は存在していないことから、行政庁等が実施する場合について記載としました。

  • 保安検査は、都道府県又はKHK・指定保安検査機関が、液石則第6条(第1種製造設備に係る技術上の基準)・第8条(液化石油ガススタンドに係る技術上の基準)・第9条(移動式製造設備に係る技術上の基準)の基準に適合しているかを1年に1回確認するための規制です。

  • 従って、行政庁等の確認事項であるため、保安検査方法は法規において規定する必要があるが、合理的な検査方法を詳細に規定及び技術進展に合わせた迅速な改正対応を可能とすることから、詳細基準を「KHK検査基準」(民間規格化)として制定し、これを「保安検査告示」において指定することにより、法基準として運用するとされました。

  • 但し、KHK検査基準は保安検査の方法について規定したものであり、検査結果に対する判定・措置基準等は規定されていないことから、今後は業界自主基準として判定・措置基準等を明確化した基準を作成・運用していく必要が生じたため、液石則適用常温高圧LPガス設備についてはJLPA(日本エルピーガスプラント協会)基準において、「JLPA 501-2 保安検査実施要領」(以下「JLPA検査要領」という。)が制定され、LPG業界基準として運用していくこととなりました。

  • また、事業者が実施する必要がある定期自主検査についても、KHKは「KHK S 1850-2&6(2004) 定期自主検査指針」(以下「KHK検査指針」という。)を制定し運用を図ることとなった。
    但し、定期自主検査は事業者が実施(行政庁等は実施しない。)の検査であることから、検査基準は法規では定めないため、KHK検査指針は民間自主基準としての位置付けとなります。

  • LPG設備の管理を適切に実施するには、法定保安検査項目の他に事業者自主管理検査事項があることから、JLPAにおいては、法定保安検査項目に基づく「JLPA検査要領」に自主検査事項を加えた「JLPA 501 LPガスプラント検査基準」(以下「JLPA検査基準」という。)を制定し、運用する予定です。

    (注)貯槽の開放検査周期は、KHK検査基準にて規定されたが、貯槽以外の高圧ガス設備の開放検査周期はKHK検査基準にて原則3年と規定した上で、要件を満足する場合は開放検査不要の設備を規定しました。
    従って、配管等については要件を満足すると開放検査不要となるが、維持管理上定期的な「分解点検・整備」は必要なことから、「JLPA検査基準」にて分解点検・整備の周期が参考として規定される予定です。

  • なお、低温LPG設備については、現状コンビナート等保安規則適用事業所のみであることから、当該低温LPG事業所を保有する事業者団体である日本LPガス協会において、業界自主基準として「JLPGA I−11(2005) 低温LPガス設備保守管理指針」を制定し、運用することとなりました。

  • 今回の省令等改正においては「保安検査方法の改正」と合わせて、「認定保安検査実施者の認定要件の改正」も行われましたが、LPG業界においては「認定保安検査実施者」が現状存在していないため、本書からは記載省略としました。

4 KHK保安検査基準の構成
  • 保安検査告示にて指定されたKHK検査基準は、省令の規定条文の順番に基準化はされておらず、現場の管理実態に合わせた順番にて検査項目が整理されており、下記のとおりの構成にて制定されています。

  • 液石則関係「KHK検査基準」においては、「定置式製造設備(スタンド除く)&移動式製造設備の基準」と「AGスタンドの基準」の2基準が制定されました。

  • 「KHK検査基準」を補完する「JLPA検査要領」においては、「定置式製造設備(スタンド除く)の基準」「移動式製造設備の基準」「AGスタンドの基準」の3基準が制定されました。

  • 「KHK検査基準」においては、余寿命予測管理を実施することにより、開放検査等の周期を事業者にて確定可能としているが、現状において余寿命予測方法が確立されていないため、当分の間当該基準は適用除外とされています。
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5 保安検査方法の主要な改正事項
  1. 耐圧性能と強度の確認基準

    • 高圧法における「耐圧性能の確認」とは、耐圧試験の実施又は開放検査(内外部目視検査&内部非破壊検査)の実施であり、「強度の確認」とは、内外部目視腐食検査&肉厚測定の実施とされています。

    • 以上の検査については、従前は実施困難な検査方法及び検査周期等が省令・告示にて規定されていたが、今回告示にて指定されたKHK検査基準において改正が実施され、下記のとおり実態に適した制度に見直されました。

      1. 耐圧性能の確認(耐圧試験又は開放検査)

        保安検査においては、原則「耐圧試験不要」とし、開放検査実施となりました。
        但し、フレキシブルチューブ等は開放検査不可のため、年1回耐圧試験又は3年に1回交換(開放検査)要となります。

        1. 開放検査周期

          • 開放検査周期は、2005年4月1日以降従前の法定周期にて開放し、その後KHK検査基準に基づく改正周期で実施とされました。

          • KHK検査基準に基づく開放検査周期は下記のとおりとなります。

            ■常温高圧LPガス貯槽(残ガス回収用貯槽を除く)

            1. 初回開放検査 ・・・・・・・・・ 完成検査後5年以内
            2. 2回目以降開放検査 ・・・ 10年以内
            3. 溶接修理等(軽微な溶接補修を除く)実施の場合
              • 耐圧試験の実施&耐圧試験後非破壊検査実施
              • 1年以上2年以内に開放検査実施
              • 上記開放検査後5年以内に開放検査実施
              • 溶接修理後の開放検査で2回連続で溶接修理不要であれば以後10年以内毎


            ■残ガス回収用貯槽
            1. 初回開放検査 ・・・・・・・・・ 完成検査後2年以内
            2. 2回目以降開放検査 ・・・ 3年以内
              • 但し、炉内応力除去焼鈍後溶接修理無しの貯槽 5年以内

            3. 溶接修理等(軽微な溶接補修を除く)実施の場合
              • 前記常温高圧LPガス貯槽と同様


            ■貯槽以外の高圧ガス設備
            1. 腐食その他の材質劣化を生じる恐れのない材料の設備 : 3年以内
            2. その他の材料の設備 : 完成検査後2年以内に実施し、以後3年以内


            • 前記開放検査周期は腐食の恐れがある不純物・水分を含有した場合及び減肉又は劣化損傷の状況に応じて短縮する必要があります

            • 現在適用されている開放周期延長の規定は、当分の間引き続き適用となりました。


        2. 開放検査方法

          • 貯槽開放検査は、前記周期以内に内部を開放して内外部目視検査&内部非破壊検査を実施です。

          • 貯槽以外の高圧ガス設備における配管等は、開放検査困難なため、前記開放周期にて外部目視及び外部非破壊検査実施により、開放検査実施不要となります。

            但し、配管等の分解点検実施時には、内部目視検査&内部非破壊検査実施となります。
            (注)配管等とは、配管に代表される内部からの検査が出来ない設備であり、配管付属品を含めたもので、配管系で管理します。

          • 貯槽以外の高圧ガス設備における動機器(ポンプ・圧縮機)は、開放検査実施不要であるが、メーカーが定める推奨点検周期又は運転状況・過去の分解点検実績等を参考に分解点検整備実施とし、当該分解点検時に内部目視検査を実施して、減肉が認められた場合は肉厚測定実施となります。

      2. 強度の確認(肉厚測定)

        • LPガス設備は、原則年1回肉厚測定実施が必要(所定の条件を満たした設備は肉厚測定不要)と規定されました。

        • 従って、常温高圧LPG貯槽(砂詰地下埋設貯槽を除く)も定点を定めて年1回の肉厚測定実施要であるが、外部目視検査又は当該定期肉厚測定で減肉が認められた場合は、更に適切な箇所について肉厚測定実施となります。

        • また、配管等についても、配管系で管理し定点を定めて年1回の肉厚測定の実施が必要です。


  2. 気密試験方法

    • 気密試験は、従前より開放検査を実施しない場合は、運転圧力にて検査実施可とされていたが、KHK検査基準において下記のとおり明確化されました。

      1. 高圧ガス設備を開放しない場合は、運転状態の圧力で、運転状態の高圧ガス又は危険性のない気体を用いて実施する。

        (注)KHK検査基準では上記のとおりであるが、都道府県によっては貯槽以外の高圧ガス設備はN2により常用の圧力(設計圧力)にて実施を指導する可能性もあるので、事前確認を要する。

      2. 高圧ガス設備を開放(分解点検・整備、清掃等の開放含む)した場合は、常用の圧力以上の圧力で、危険性のない気体を用いて実施する。


  3. 地下埋設貯槽の外部目視検査

    • LPガス貯槽は、保安検査時外面目視検査(耐圧性能確認における外部目視確認)及び基礎部等の目視検査(耐震設計構造の確認)を行う必要があるが、地下埋設貯槽のうち砂詰方式の貯槽は、確認困難であるため、KHK検査基準においては、下記のとおりの基準とされました。

      1. 外面目視検査

        • 砂の乾燥状況及び底部集水桝の浸透水の状況を確認することにより、外部目視検査に代えることができる。
          但し、砂の乾燥状況等に異常がある又は異常の恐れがある場合は、砂出し措置を行って防食措置を取り除き、外面の腐食状況を確認する必要がある。

        • 電気防食措置を実施している場合は、1年に1回電位測定を実施により、外部目視検査に代えることができる。


      2. 基礎部等の目視検査

        • 目視で検査可能な部分に限定して実施にて可とする。


  4. 緊急遮断弁の作動検査

    • 貯槽に接続された緊急遮断弁は、1年に1回遠隔操作にて作動状況の確認を実施するとされました。

    • 貯槽に接続された緊急遮断弁は、5年以内の間に弁座漏れ検査を実施するとなりました。

      (注)従前は、毎年保安検査時実施であったが、5年以内に実施とされました。
      但し、貯槽本体の開放検査周期が10年とされたことから、貯槽開放時の他に5年以内に緊急遮断弁下流側の圧抜き実施後、弁座漏れ検査実施要となります。

    • 緊急遮断弁の弁座漏れ検査の合格基準は、KHK検査基準にて「保安上支障のない漏れ量以下」とされたが、JLPA検査要領において分解点検実施時にはJISバルブ通則に基づく漏れ量以下となりました。


  5. 圧力計・温度計の精度比較検査

    • 圧力計の精度検査は、2年に1回圧力計精度確認用器具を用いて、次の何れかを満足することを確認するとされました。

      1. JISに定める許容差又はこれと同等程度以上

      2. 当該圧力計の1/2目量(一定間隔をもって断続的に指示又は記録をする装置を有する圧力計の場合は、測定範囲の最大値の5/1000)
        (注)圧力計精度確認用器具は、計量法に基づきトレーサビリティの取れた計測器であること。


    • 温度計は、液石則適用事業所では法定設置義務はないことから、KHK基準においては規定されていないが、貯槽温度計も圧力計と同様に2年に1回の精度検査が望ましい。

6 バルクローリーの保安検査方法
  • バルクローリーは、高圧法においては移動式製造設備・液石法においては充填設備として規定されています。

  • この度の高圧法保安検査方法の改正では、高圧法液石則第9条第1項に規定する従来型バルクローリー(移動式製造設備)の保安検査方法について改正となり、液石法における従来型バルクローリー(充填設備)の保安検査方法も、当該改正に基づき高圧法の保安検査方法による(準用)となりました。

  • 前記より、液石法施行規則第64条第1項の基準による新型バルクローリー(移動式製造設備)は、この度改正された保安検査方法によらず、従前同様液石法施行規則別表第4に基づく保安検査方法にて実施となります。

    (注)新型バルクローリーの保安検査方法は、平成17年度から検討が実施され、平成18年以降に液石法において充填設備の保安検査方法の改正が実施される予定であり、当該改正により高圧法での新型バルクローリー(移動式製造設備)の保安検査方法も改正となります。

  • なお、移動式製造設備(高圧法)と充填設備(液石法)の許可を取得しているバルクローリーは、液石法に基づく保安検査を受検すれば高圧法の保安検査受検不要であるため、液石法保安検査において、新型バルクローリーは液石法に規定する保安検査方法、従来型バルクローリーは高圧法に規定する保安検査方法にて実施すれば可となります。


  移動の基準の改正(H17年4月1日施行) 

[液石則48条17号]


【改正主旨】

国際基準及び危険物を扱う国内他法令との整合性を図る観点から、移動の基準に係る運転要員確保の規定が改正されました。

【改正内容】

  1. 改正概要

    質量3,000kg以上のLPガスを車両により移動する場合は、従前は所定の計算式に基づく移動距離により、運転者を2名以上確保が必要とされていたが、改正により、運転時間に基づき2名以上確保必要とされた。

  2. 改正内容

    質量3,000kg以上のLPガスを、次の何れかに該当して車両により移動する場合は、交替して運転させるため、車両1台について運転者2人を充てること。

    イ 一の運転者による連続運転時間(1回が連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)が、4時間を超える場合

    ロ 一の運転者による運転時間が、1日当たり9時間を超える場合


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