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LPガスの保安技術


LPガスの保安技術 >高圧ガス保安法関係
高圧ガス保安法関係改正概要〔1〕
【液化石油ガス保安規則関係 2000年度改正概要】

作成日 01.08.15
更新日 02.03.08


《目次》

記載項目が多いため、「高圧ガス保安法関係改正概要〔1〕」と「高圧ガス保安法関係改正概要〔2〕」に分けて記載しました。



「高圧ガス保安法関係改正概要〔1〕」

は じ め に

記載法規名称の簡略化

省 令 等 改 正 内 容
  1. 液化石油ガス保安規則 性能規定化
  2. 地方分権対応に基づく基本通達の改正
  3. 常用の圧力の定義
  4. 処理能力計算方法の改正
  5. 移設等における許可基準の明確化
  6. 容器置場の立体化(2階建構造)基準制定
  7. 不同沈下等防止措置を要しない設備
  8. ローリー積置き場の「軽量な屋根」の設置緩和
  9. 容器置場における充填容器と残ガス容器の区分設置緩和
  10. 移動監視者資格取得要件の改正



「高圧ガス保安法関係改正概要〔2〕」

省 令 等 改 正 内 容

  1. 小型容器に係る「移動の基準」適用除外
  2. 保安統括者等の選解任届出規定改正
  3. 「完成検査の方法」「保安検査の方法」改正
  4. 貯槽の開放検査周期改正
  5. 貯槽以外の高圧ガス設備の開放検査周期改正
  6. 液石則 例示基準 主要改正事項






【はじめに】

高圧ガス保安法関係は規制緩和等の方針により、平成9年より順次法律・政令・省令等が改正され、平成12年度においても多々改正が実施されました。

本書においては、平成12年度以降(平成12年4月1日施行改正事項以降)公布された法改正事項において、液化石油ガス保安規則関係事項で液化石油ガス流通事業者に関係する主な改正事項(詳細な事項・改正による影響少の事項及び指定検査機関・認定検査事業所関係等記載除外)について記載しました。

なお、コンビナート等保安規則・特定設備検査規則・容器保安規則及びバルク供給関係等については、記載除外としましたので別途改正法基準等を参照して下さい。

また、高圧ガス保安法における液化石油ガス関係の省令等改正事項は、本書に記載したものの他にも多数ありますが、「通達・告示事項の省令格上げ」「申請等の様式・方法の明確化」等であるため、法基準内容の変更ではない事項については本書では記載省略としました。


【 記載法規名称の簡略化 】

本書においては、法規名称を次のとおり簡略して記載としました。
高圧ガス保安法 ……………………………………… 高圧法
高圧ガス保安法 液化石油ガス保安規則 …………… 液石則
高圧ガス保安法 容器保安規則 ……………………… 容器則
高圧ガス保安法 特定設備検査規則 ………………… 特定則
高圧ガス保安法 製造施設の位置、構造
及び設備並びに製造の方法等に関する
技術基準の細目を定める告示 ………………………… 製造細目告示
高圧ガス保安法 関連基本通達 ……………………… 法基通、政令基通、省令基通
高圧ガス保安法 関連個別通達 ……………………… 個通

液化石油ガス法 ………………………………………… 液石法
液化石油ガス法施行規則 ……………………………… 液石法規則




【 省令等改正内容 】



  液化石油ガス保安規則 性能規定化

(H13年3月26日施行)

【改正主旨】

高圧ガス保安法及び液化石油ガス法は、規制緩和の観点から性能規定化が図られ、高圧法容器保安規則・特定設備検査規則及び液化石油ガス法施行規則が既に性能規定化実施済となりましたが、この度液化石油ガス保安規則も性能規定化が実施されました。

上記により、従来の省令補完基準は廃止となり、省令・告示及び補完基準等に規定されていた詳細仕様基準は、例示基準として新たに制定されました。

なお、性能規定化による基準内容に大きな変更はないことより、本書では性能規定化に係る改正内容の解説は省略としましたが、変更内容において液化石油ガス取扱事業所の業務に関連すると考えられる事項の一部は記載としました。




  地方分権対応に基づく基本通達の改正

(H12年12月22日施行)[平成12年12月22日付 平成12・09・20立局第2号基本通達]

【改正主旨】

地方分権対応に基づき、高圧ガス保安法・政令・省令の基本通達が改正され、通達内容の記載方法が一部変更となりました。

これにより、通達は経済産業省の見解を示したものとなり、都道府県は通達に基づき各都道府県の判断で運用することとなります。

なお、地方分権対応による通達改正内容に変更はないことより、本書では地方分権対応に係る改正内容の解説は省略としました。

(注)
本通達改正において地方分権対応以外の改正も一部実施されたが、指定検査機関関係等であり、LPガス流通事業者関係では大きな影響のある改正なしのため、解説は省略としました。


  常用の圧力の定義

(H13年3月26日施行)[液石則2条1項4号]

【改正主旨】

従来、通達(補完基準)で規定していた「常用の圧力」の定義が、省令にて規定されました。

【改正内容】

従来は、補完基準において耐圧試験圧力及び気密試験圧力の基準となる「常用の圧力」を、「使用状態において当該設備等に作用する最高使用圧力」として定義されていたが、廃止となる補完基準に代わる例示基準においては定義が削除され、液石則にて次のとおり規定されました。


  • 常用の圧力
    通常の使用状態において、当該設備等に作用する圧力(当該圧力が変動する場合にあっては、その変動範囲のうちの最高圧力)であって、ゲージ圧力をいう。


  処理能力計算方法の改正

(H12年4月1日施行)[液石則2条1項15号]

【改正主旨】

従来は、通達にて処理能力計算方法が規定されていたが、運用の統一化を目的として省令に規定となりました。

【改正内容】

液石則適用事業所に関連する処理設備の処理能力計算式は、次のとおりとなりました。

  1. ポンプ
    Q1 = W1×24×ρ×22.4/M
      Q1:ポンプの処理能力の数値(Nm3/日)
      W1:ポンプの性能曲線における最大稼動した場合の吐出量の数値(L/時)
       ρ :液密度の数値(kg/L)
       M:分子量の数値

  2. 圧縮機
    Q2 = W2×24
      Q2:圧縮機の処理能力の数値(Nm3/日)
      W2:圧縮機の性能曲線における最大稼動した場合の吐出量の数値(L/時)

  3. 蒸発器
    Q3 = W3×24×22.4/M
      Q3:蒸発器の処理能力の数値(Nm3/日)
      W1:蒸発器の公称能力の数値(kg/時)
      M :分子量の数値


    ※4〜6に関し、液石則関係事業所では使用実態少により詳細基準省略

  4. 凝縮器

  5. その他処理設備
    イ.内部冷却器付貯槽
    ロ.加圧蒸発器付低温貯槽
    • 気化ガスを取り出す場合
    • 液化ガスを取り出す場合
    ハ.加圧蒸発器付容器
    ニ.処理設備である減圧弁

  6. 減圧設備


【注】
ポンプ・圧縮機の処理能力計算式においては、次の事項が明確化されていないことより、今後処理能力の変更を伴う変更工事実施の場合は、管轄都道府県庁の指導を確認する必要があります。
  • 処理能力計算式不明確事項
    • ポンプの「最大稼動した場合の吐出量の数値」における「最大稼動」の定義の明示なし
      *ポンプは、運転状態・設置条件により最大稼動に相違が生じる
    • 「液密度」における「液温度条件」「ガス組成条件」の明示なし
    • 圧縮機の「最大稼動した場合の吐出量の数値」における「最大稼動」の定義の明示なし
      *圧縮機は、吸入側の条件(吸入圧力等)により最大稼動に相違が生じる

  • 移充填の取扱いについて
    • 従来においては、容器から容器への移充填(ポンプ等を使用せず、流し込みにて充填)は高圧ガスの製造として取り扱われ、所定の移充填量を基に処理量を算出し、通常では第1種製造者とされていた。

    • 然しながら、この度経済産業省見解として、「移充填は高圧ガスの製造であるが、処理設備なし(処理量零)として取扱い、移充填のみの事業者は第2種製造者となる。」とされました。(然しながら、現状各都道府県庁にて判断に相違があります。)

    • 以上より、移充填により自動車燃料を充填する簡易オートガススタンドは、第2種製造者(処理量30Nm/日未満)として取扱われます。

    • 但し、現行基準では第2種製造設備(処理量30Nm/日未満)の基準にAGスタンドの基準がなく、移充填によるAGスタンド設置の場合基準不明確となることより、経済産業省では第2種製造の基準にスタンドの基準を追加制定を検討中。


  移設等における許可基準の明確化

(H13年3月26日施行)[液石則3条5号、4条5号、21条3号、26条3号]

【改正主旨】

既存設備を移設・転用・再使用等(移設等)を計画した場合、従来は行政庁毎に指導が異なり、かつ、許可要件が厳しく移設等が困難であったが、この度設置許可を要する申請の要件に移設等の基準を規定し、移設等の取扱が明確化されました。

【改正内容】

移設等に係る高圧ガス設備にあっては、当該高圧ガス設備の「使用の経歴」及び「保管状態の記録」を許可等申請書に添付すること。

※ 基本通達未公布のため、「使用の経歴」「保管状態の記録」についての詳細条件不明


  容器置場の立体化(2階建構造)基準制定

(H12年4月1日施行)[液石則6条1項35号ロ、ホ、ト、製造細目告示11条の5]

【改正主旨】

充てん容器置場には、「軽量な屋根」の設置が義務付けされており、従来は1階天井(=2階床)は容器設置可の構造とすると「軽量な屋根」と見なされず、2階構造の容器置場は設置不可であり、土地の有効活用不可となっていました。

この度、2階床の構造等が所定の要件を満たせば、2階建構造の容器置場設置可能となりました。

【改正内容】

容器置場は、下記の要件を満足すれば2階建構造とすることができます。
  1. 2階建容器置場の種類
    • 次の容器置場については、2階建以下(2階建構造まで可能)とする。
      • 充てん所の容器置場
      • 貯蔵所の容器置場

      (注)
      液石則6条の基準が適用又は準用の容器置場にのみ規定されたことより、液石法に基づく貯蔵施設である容器置場は、適用除外。


  2. 容器置場の天井の高さ
    • 天井の高さは、次のとおりとする。


      1. 1階天井高さ ……… 床面+3.3m以上
      2. 壁を設置する場合は、通風及び換気を考慮した天井高さとする。


  3. 2階建構造不可部分
    • 充填設備等高圧ガス設備が設置されている場所は、容器置場ではないことより、高圧ガス設備設置場所上部は、2階建て不可。


  4. 容器置場の周囲構造
    • 容器置場の周辺の構造は、次のとおりとする。


      1. 1階は、原則壁を設けない開放構造とし、開放部分は容器転倒転落防止措置を講じること。
        ただし、容器置場外周50%以内に限り、容器置場又は容器置場直近に保安距離又は火気距離緩和措置である障壁の設置は可とする。

      2. 2階容器置場は、容器転倒転落防止のため床面から1.2mの壁を設置し、当該壁には床面に接して2階床面積に対し300cm/m以上の開口部を複数設けること。
        ただし、容器置場外周50%以内に限り、容器置場又は容器置場直近に保安距離又は火気距離緩和措置である1.2m以上の障壁の設置は可とする。


      (注)
      障壁を設置する場合は、地盤面から2階までの構造とすること。
      • 告示による技術基準では規定されていないが、廃止となった従来の通達においては規定されており、実質上も地盤面からの設置となる。


  5. 2階床構造及び2階における容器の貯蔵方法
    • 2階床構造及び2階における容器の貯蔵方法は、次のとおりとする。


      1. 2階床は、不燃性または難燃性の構造とする。
      2. 2階床は、2階床面積の25%以上の面積の転落防止措置を施した開口部を設けた構造とする。

        (注)
        従来通達では開口部については下記の基準が規定されていたが、当該規定は告示規定されませんでした。
        しかしながら、実質上は下記と同様な措置が必要となります。
        • 当該開口部はグレーチング構造とする。
        • 開口部面積は、グレーチングの構造材面積を含まない真の開口面積とし、グレーチング部分に、容器搬送機器等を設置する場合は、当該機器等を設置しない部分にて、開口面積を確保すること。
        • 開口部は、2階床周辺部の他に井桁状に設置する等により、床面に対し極力均等な配置とする。

      3. 2階床は、開口部及び開口部の外縁から5cm以内の範囲には、容器設置不可とする。
      4. 2階床の容器設置部分には、線引き等の明示を行ない、開口部側に転落防止措置を講じること。

    • 2階への通路
      • 1階と2階を接続する通路は、2個所以上設置すること。

    • ガス漏えい検知警報設備
      • 2階建てに係るガス漏えい検知警報設備の設置規定はないが、容器置場に対してのガス検知警報設備の規定が適用となる。


  不同沈下等防止措置を要しない設備

(H13年3月26日施行)[液石則6条1項15号]

【改正内容】

製造細目告示にて規定されていた下記の「不同沈下等防止措置を要しない設備」が製造細目告示から削除され、液石則に規定されました。

  • 不同沈下等防止措置を要しない設備
    • 配管
    • ポンプ及び圧縮機
    • 液石則6条1項15号に規定する基礎(不同沈下等防止措置実施の基礎)を有する構造物上に設置されたもの


  ローリー積置き場の「軽量な屋根」の設置緩和

(H12年4月1日施行)[液石則6条1項35号ホ]

【改正主旨】

ローリー積置き場は、貯蔵所の規定が適用されることより、「軽量な屋根」の設置が義務付け(バルクローリーは適用除外)されていましたが、バルクローリーとの整合性を図る等により「軽量な屋根」の設置適用除外となりました。

【改正内容】

車両に固定した容器であって配管により接続されていない充てん容器の置場(ローリー車積置用車庫)は、「軽量な屋根」の設置の適用を除外する。

(参)
バルクローリーの車庫については、従来型バルクローリーは液石則9条1項5号にて6条1項35号ホの規定(「軽量な屋根」の設置)の適用を除外しており、新型バルクローリーは液石法施行規則64条1項19号にて14条4号の規定(「軽量な屋根」の設置)の適用を除外していることから、「軽量な屋根」の設置は不要となります。


  容器置場における充填容器と残ガス容器の区分設置緩和

(H13年3月26日施行)[液石則24条5号]

【改正主旨】

第1種&第2種貯蔵所において配管に接続されていない容器を貯蔵する場合は、充填容器と残ガス容器を区分して設置とされていたが、当該規定条文が削除され区分設置規定なしとなりました。

【改正内容】

液石則第24条第5号[第1種&第2種貯蔵所における配管に接続されていない容器による貯蔵の基準]において、第6条第2項第7号イ[製造設備(充てん所等)における充填容器と残ガス容器の区分設置]の基準を準用していたが、当該準用規定が削除となり、充填容器と残ガス容器を区分して設置の規定がなくなりました。

(注)
第1種製造設備の容器置場(充填所の充填場・移動式製造設備の車庫等)は、第6条第2項第7号イは従来通りであることから、現状同様充填容器と残ガス容器の区分設置が必要です。


  移動監視者資格取得要件の改正

(H12年4月1日施行)[液石則48条14、15号、KHKの実施要領改正]

【改正内容】

  1. 3TON以上の移動において必要となる移動監視者の資格は、製造保安責任者免状又はKHKの講習検定合格者となり、免状または講習修了書の携帯を義務付けられました。

    (注)
    従来は、製造に係る作業1年以上の経験でも可であったが、経験のみでは不可となりました。
    但し、従来から経験のみで移動監視者となっていた者は、適用除外となり従来同様に実施可です。

  2. KHKの講習検定は受検に当たり、所定の経験が必要とされていたが、経験不要となりました。
    但し、今後は移動を実施する事業者が、実務研修・保安教育を責任を持って行なう必要があります。

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