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LPガスの保安技術


LPガスの保安技術>行政関係  
今後のガス機器および製品安全対策のあり方について(経済産業省)
アストモスコール 2006年 No.3 掲載
〜パロマ工業(株)製ガス湯沸器によるCO中毒事故を踏まえて〜
経済産業省は、平成18年7月にパロマ工業(株)製の半密閉式ガス瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故について公表しましたが、その後実施された総点検結果の取りまとめ結果と併せ、今後の製品安全対策のあり方についての報告をご紹介いたします。具体的な内容・方法につきましては、同省にて検討中ですが、LPガス事業者にも、ガス消費機器に関し、これまで以上に厳しい管理を求められていますので、経営者の方におかれましては、この機会に消費者保安体制の再点検・見直しをお願いいたします。


  パロマ工業(株)製の半密閉式ガス湯沸器による一酸化炭素中毒事故への対応

経済産業省は、平成18年7月、パロマ工業(株)に対して、半密閉式ガス瞬間湯沸器7機種の点検と必要な改修を行なうことを指示。
また、実効的な事故処理対策を平成18年末までに報告することを求めています。

(1)点検・回収等の状況
  上記7機種については、設置状況の確認作業がほぼ一巡。これまで、7機種については、19,022件の点検が実施され、うち1%以上にあたる226件について不正改造が確認された(平成18年10月31日現在)。
  他メーカーの製造した相当機種について調査を実施した結果、類似現象の可能性はないと判断されたが、その後(平成18年9月6日および9月7日)(株)ハーマンプロから、1,607件の自主点検の結果として、9件について安全装置(排気あふれ装置)の不正改造があったとの報告を受け、同社に対して厳重注意を行なうとともに、点検および必要な改修の実施ならびに再発防止策を講ずることを指示した。

(2)原因究明
  パロマ工業(株)からの報告、経済産業省による立入検査、現地調査等を踏まえた結果、本件事故の主な原因は、はんだ割れによって安全装置が故障した際に、その後も使用できるようにするため不正改造によって安全装置を機能させないようにしたこと、また、水流スイッチの故障が生じた際の排気ファン過熱防止装置の不適切な作動にあると判断。

(3)今回の事故事例を踏まえた課題
  1.ガス消費機器に係る事故情報の収集体制の不備の是正
2.事故原因の徹底的な究明を行なう体制の整備
3.事故事例に係る情報の積極的公開
4.安全装置の不正改造や部品の劣化による事故の防止のための制度的対応


  今後のガス消費機器および製品全般の安全対策のあり方

今回の事故事例から、ガス消費機器の安全対策のみならず製品安全対策全般について今後活かすべき教訓を可能な限り引き出し、再発を防止するための取り組みとして、以下31項目(1〜31)が挙げられています。ここでは、行政連携体制の強化の他、機器メーカーに対して、製造時の技術基準強化を求める内容も盛り込まれていますが、同時に、LPガス事業者にも要求される規制強化事項もありますので、今後の法令改正等の動向に注意が必要です。また、ガス機器の販売等に際しても、製品安全に関し独自の管理体制を構築しておくことが望ましいと思われます。

  事故リスク情報の適切な処理(行政側の対策)  

(1)製品に係る事故リスク情報への対応および的確な分析体制の確立等(5項目)
  1. 経済産業省内に「製品安全連絡網」を構築して初動体制を整備。(平成18年8月構築)
  2. 企業名や機種名も含め、収集・分析された事故リスク情報を可及的速やかに公表し、関連団体に必要な措置を指導。
  3. (独)製品評価技術基盤機構(NITE)に「事故リスク情報分析室」を設置し、過去の事故事例との関連性の分析指示により、類似事故の発生有無等を確認。(平成18年9月設置)
  4. ガス消費機器の事故原因分析については、都市ガス、LPガスの区別によらず、高圧ガス保安協会において分析。
  5. 省内に「事故リスク情報統合データベース」を構築し、情報共有を徹底。

(2)省内の検討・フォローアップ体制の構築(4項目)
  6. 原子力安全・保安院長を長とする「保安・安全連絡会議」を設置し、事故対応を加速化。
(平成18年9月設置)
  7. 外部有識者により、事故対応を定期的にフォローアップ。
  8. ガス消費機器の安全確保のための制度面での検討を総合資源エネルギー調査会および消費経済審議会の合同で実施。(平成18年9月開催)
  9. 安全対策の検討および実施のため、ガス関係の団体との定期的な連絡会議を設置。
(平成18年10月開催)

(3)警察、消防等との連携体制の確立(3項目)
  10.警察および消防に対し、調査への協力と専門の情報交換窓口の設置を要請。(平成18年9月要請)
11.警察および消防との連合会合を開催し、情報収集・分析に係る連携・連絡体制を強化。
12.情報収集における(独)国民生活センター等との連携の強化を検討。

(4)事故リスク情報の国民への提供(3項目)
  13.ガス関係の事故について、速報段階での情報をホームページ上で公表。
14.リコールハンドブックを改訂し、回収社告の標準化など、リコール手続きの周知を徹底。
15.事故リスク情報等を効果的に国民に周知するため、「製品安全総点検週間」を実施。
  (平成18年11月20日の週)

(5)組織体制の強化(1項目)
  16.経済産業省における事故原因分析および対応に係る組織体制を強化。


  製品事故の未然防止策(事業者に課せられる対策)  

(1)ガス消費機器の安全確保のための制度改正(12項目)〔いずれも年内目処に実施〕
  17. ガス事業者・LPガス事業者に対し、消費者に対するガス消費機器の安全な使用のための周知を行なう際、事故の原因を踏まえた内容となるように徹底する。
  18. 不完全燃焼防止装置のない半密閉式ガス瞬間湯沸器を使用する消費者に対し、安全な使用のための周知を行なう頻度を、年1回に高めることとする。
  19. ガス消費機器に係る事故報告について、ガス事業者およびLPガス事業者のみならずガス消費機器メーカーに対しても義務づける。
その際、LPガス事業者からの事故報告については、都道府県の他、直接、経済産業省(産業保安監督部)に対する報告を義務づける。また、事故報告の事項について、メーカー名、型式を追加する。
  20. 半密閉式ガス瞬間湯沸器の安全装置について、容易に不正改造されない構造であることを製造時の技術基準として要求する。
  21. 半密閉式ガス瞬間湯沸器等について、不完全燃焼防止装置を設けることを製造時の技術基準として要求する。
  22. 半密閉式ガス瞬間湯沸器について、安全装置故障時にも機器が安全に作動を停止することを確保する設計(フェール・セーフ)を製造時の技術基準として要求する。
  23. 半密閉式ガス瞬間湯沸器について、排気あふれ防止装置または排気ファン過熱防止装置作動時にガスの供給が遮断されるまでの時間について、適合性検査の際に要求される基準(5分間)を短縮する。
  24. 半密閉式ガス瞬間湯沸器(強制排気式に限る)のうち特定の機種について、排気扇が確実に作動することを使用時の技術基準として要求することとし、ガス事業者およびLPガス事業者によるガス消費機器の点検の際の調査項目に、かかる作動点検を追加する。
  25. 上記の他、一酸化炭素ガス検知装置の設置など、ガス消費機器に係る使用時の技術基準として要求すべき事項につき、機器メーカー、ガス事業者およびLPガス事業者、消費者それぞれの義務と負担のバランスを考慮した検討を行なう。
  26. ガス消費機器の調査に係る帳簿の保存期間について、調査の間隔に応じた期間に改める。また、メーカー名、型式、製造年月日等を帳簿に記載させる。
  27. 緊急時(ガス消費機器を使用する者の生命または身体の安全に危害を及ぼす恐れがあると認める場合)に、ガス事業者およびLPガス事業者に対し、調査を行なうことを求めることができるよう制度を整備する。
  28. 不正な安全装置の改造が行なわれないようにするため、特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律に係る特定工事に、安全装置の変更に係る工事を追加する。

(2)製品安全全般の安全確保対策(3項目)
  29. 消費生活用製品の使用実態の変化を踏まえた技術基準の適宜適切な見直し。
  30. メーカーからの事故報告を義務化することに関する検討を早急に行なう他、上記の諸対策の実効的な実施の確保を含め、消費者の安全が確保されるような製品安全体系を構築すべく、産業構造審議会等において、製品安全政策全般に関する課題について検討。
  31. 製品の修理履歴・経年変化等の情報入手を目的とした、電子タグを利用した製品安全確保システム構築のための実証試験の実施。

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