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LPガスの保安技術


LPガス保安技術動向 > トピックス 04.11.12 update
保安行政関係動向

作成日 04.08.02
更新日 04.11.12



本動向は、保安行政[主に経済産業省原子力安全・保安院 保安課及び液化石油ガス保安課]の動向(法改正動向・保安対策指導方針等)について、各種保安情報に基づき掲載時点で行政庁等において検討されている事項の概要を取り纏めたものです。

従って、その後の検討状況により内容が変更となる場合もありますので、本コンテンツは随時見直しを実施し、以後の状況変化に応じて内容の修正及び加筆・削除を行っていきます。




  高圧ガス保安法関係動向

○保安検査方法の見直し

[状 況 概 要]

  • この度高圧ガス保安法施行後7年を経過したことから、検査技術の進歩、最近の事故実態等を踏まえ、「総合資源エネルギー調査会高圧ガス及び火薬類保安分科会 第3回高圧ガス部会」において、高圧ガス保安法保安検査の方法の基準について、より科学的・合理的な方法で行われるよう見直しを行うこととなり、「高圧ガス部会」の下に「制度検討小委員会」を設置し、「保安検査方法の見直し」及び「認定保安検査実施者の認定基準の見直し」を実施することとなりました。

  • 以上より「制度検討小委員会」が3回開催され、当該小委員会検討結果を受けて9月15日に「第4回高圧ガス部会」が開催され下記のとおりの基本的方向性が了承されました。

    • 省令規定は性能規定化し、従って別表に規定された「保安検査の方法」は削除とし、「保安検査の方法」は告示に規定とする。
    • 「保安検査の方法」を規定する告示においては詳細基準を規定せず、民間規格(KHK自主基準)を採用することを規定する。
    • 従って詳細な保安検査方法は、今後民間規格において規定となる。


  • 上記「高圧ガス部会」の結果に基づき、10月22日に省令改正案のパブリックコメントが出され、今後下記のとおりにて省令改正等が実施される予定です。

    10月22日〜11月19日・・・・・・省令改正案の公衆審査(パブリックコメント)
    11月下旬・・・・・・・・・・・・・・・・改正省令公布(施行は来年4月1日予定)
    11月下旬〜1月・・・・・・・・・・「高圧ガス部会 保安検査規格審査小委員会」にて
    KHK自主基準「保安検査基準(仮称)」を告示に採用の可否審議
    1月〜2月・・・・・・・・・・・・・・・・保安検査告示(KHK基準案)の公衆審査(パブリックコメント)
    3月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保安検査告示公布
    4月1日・・・・・・・・・・・・・・・・・・改正省令・告示施行

  • 「保安検査方法の見直し」は、液石則適用事業者(充填所・AGスタンド等)・コンビ則適用事業者(輸入基地)見直し対象とされています。


[考   察]

  • 貯槽の開放検査周期等保安検査の方法及び周期が見直されるため、LPガス業界においても見直し結果によっては大きな影響があります。

  • 見直しの主要な事項は下記のとおりであり、貯槽以外のLPガス設備は、省令及び告示にて定められた年1回の肉厚測定が困難な設備及び3年に1回の開放検査が困難な設備が存在することから、実態に適した合理的な検査方法及び周期を検討する必要があります

    • 高圧ガス設備の肉厚測定試験
    • 高圧ガス設備の耐圧性能の確認(開放検査方法・周期等)
    • 高圧ガス設備の気密性能の確認


  • 但し、本見直し検討で不合理な点がある現行基準が改正されず、既基準の徹底が図られると、3年毎に輸入基地において数千万円、充填所等において数百万円の検査費用が発生する恐れがあります。

○工業用等バルク供給の基準

[状 況 概 要]

  • 工業用等用途にバルク供給を実施する場合は、高圧ガス保安法が適用となります。

  • しかしながら、高圧ガス保安法においてはバルク供給の基準は詳細規定されておらず、基本的な事項が規定されています。

  • この為、従来より高圧ガス保安協会において自主基準「LPガスバルク供給基準(工業用等)」が制定され運用されてきておりますが、この度見直しが実施され、2003年度版として発行済となっています。


[考   察]

  • 従来のものは1998年に改正したものであり、その後法改正等も実施されていることから、工業用等用途にバルク供給を実施する者は、改訂版の購入・内容確認が望ましいと考えられます。

○危害予防規程・地震防災規程・保安教育計画

[状 況 概 要]

  • 高圧ガス第1種製造事業所は、危害予防規程の制定・届出及び保安教育計画の制定が義務付けられおり、従来から高圧ガス保安協会において危害予防規程の規範及び保安教育計画の基準が作成され、発行されていました。

  • しかしながら、当該規程規範類は作成後年数が経過しているため、見直しが必要となり、この度見直し検討が実施されました。

  • 以上より、2004年4月に高圧ガス保安協会より「東南海・南海地震防災規程規範」発行となり、近日中「危害予防規程規範」「保安教育計画の基準」改訂版が発行されます


[考   察]

  • 今回発行される「危害予防規程規範」「保安教育計画の基準」は、コンビナート等保安規則及び一般高圧ガス保安規則適用事業所用であり、液化石油ガス保安規則適用事業所用は当該「危害予防規程規範」「保安教育計画の基準」を参考として今後検討・作成される予定です。

  • なお、「地震防災規程規範」は既に「東海地震用」は発行されており、今回特に見直し実施の必要性がなかったことから、新たに「東南海・南海地震用」が制定されました。

  • 以上より、液化石油ガス保安規則適用事業所(LPガス充填所・LPガススタンド等)は今後高圧ガス保安協会より液化石油ガス保安規則適用事業所用が発行されてから自社の見直し実施でも可能であるが、基本的内容に大きな相違が生じることはないので、今回発行される規範類を参考として見直し実施も可能である。

  • なお、今回東南海・南海地震指定推進地域となった場所の事業所は、「地震防災規程規範」の見直し又は追加制定が必要となります。


  液化石油ガス法関係動向

○バルク貯槽の保安距離

[状 況 概 要]

  • バルク貯槽は、現在貯蔵量1トン未満は保安距離が緩和(第1種保安距離=1.5m以上、第2種保安距離=1.0m以上)されていますが、1トン以上は貯蔵量に関らず一律所定の保安距離(第1種保安距離=16.97m以上、第2種保安距離=11.31m以上)とされていました。

  • このため、経済産業省液石保安課においては、1トン以上3トン未満のバルク貯槽について、実証試験を行い合理的な保安距離を検討した結果、次のとおりにて省令改正が実施されました。
    1トン以上3トン未満のバルク貯槽保安距離
    第1種保安距離=7.0m以上
    第2種保安距離=7.0m以上
    構造壁又は障壁設置により迂回水平距離にて確保可


[考   察]

  • 今後ガスコジェネ設備の普及等が促進されると、一般消費者等におけるLPガス貯蔵量も増加となり、1トン以上3トン未満のバルク貯槽が必要になる場合が想定され、本保安距離改正によりバルク貯槽の普及のための環境整備の一つが実現されたこととなります。

○バルク貯槽移動時の基準

[状 況 概 要]

  • バルク貯槽は、設置後20年間は開放検査不要とされていることから、20年間は移動せずに使用が前提となっていますが、その間附属機器類の故障又は消費者の移動等によりバルク貯槽の移動が必要となる場合も想定されます。

  • しかしながら、従来はバルク貯槽の移動における取扱は明確化されておらず、万一移動が必要となった場合は、設置先においてバルク貯槽内のLPガスを回収し、空の状態にて移動を行う状況となっていました。

  • この度、某製造メーカーのバルク貯槽において、ノズル部の不良から安全弁の作動に問題が生じる事態が発生し、当該バルク貯槽の改修又は交換を実施することとなりましたが、この場合バルク貯槽をLPガス回収施設までLPガス貯蔵状態で移動する必要が生じました。

  • この為、高圧ガス保安協会においてバルク貯槽移動時の技術上の基準を検討し、KHK自主基準「バルク貯槽移動基準(たたき台)」が作成されました

  • 本自主基準は、上記問題に対応する基準ですが、今後は更に検討を実施し、一般的にバルク貯槽を移動する場合の基準として制定される予定です。


[考   察]

  • バルク貯槽は法律上貯槽扱い(地盤に固定して使用)となるため、LPガス貯蔵状態での移動は、法解釈上不明確な事項が存在しました。

  • これを、この度明確化した上で基準化されますので、今後何らかの理由でバルク貯槽の移動が必要となった場合においても、当該基準に基づき実施すれば問題ないこととなります

○バルク供給基準性能規定化

[状 況 概 要]

  • 液化石油ガス法におけるバルク供給基準は、省令及び告示にて詳細規定されているが、この度当該規定を性能規定化する方向となり、現在高圧ガス保安協会にて性能規定化の検討が実施されています


[考   察]

  • この度の性能規定化においては、既省令・告示基準を性能規定とし詳細基準は例示基準化となるが、例示基準化に当り現行基準の内容について確認し、必要と認められる場合は実証を行っている状況です。

  • 以上より、当該性能規定化においては検討結果により現行基準の見直しも考えられることから、今後検討状況を注視していく必要があります

○バルクローリー再検査時の代車措置

[状 況 概 要]

  • バルクローリーは、5年毎に容器再検査を受検する必要がありますが、この場合現行法定再検査基準に基づき実施及び自主検査として必要な機器類分解点検等を行うと、かなりの検査日数が必要となります。

  • この為、再検査時のバルク供給を確保するため、別のバルクローリーを賃借する場合、現行の法規制においては手続きに不明確な事項があります

  • 以上より、現在LPガス業界においては「バルクローリー再検査時の代車措置」について検討を実施しており、今後行政庁に対し明確化を要望していく予定です。


[考   察]

  • 現在検討中であることから、バルクローリーを賃借する場合、液化石油ガス法又は高圧ガス保安法上の手続きについては、所轄行政庁に確認して実施が望ましいと考えられます。

  • 但し、当該バルクローリーが青ナンバーか白ナンバーかにより、貨物自動車運送法上の問題が生じますので、注意が必要です。

○バルクローリーの事故対策について

[状 況 概 要]

  • 民生用バルクローリーに係る漏洩事故及び漏洩爆発・火災事故が下記のとおり発生しました。

    1. 充填ポンプ損傷によるカップリング用液流出防止装置からの液流出

      [発 生 状 況]
      充填を行うためポンプを起動させたところ、異音が発生したのでポンプを停止し、カップリング用液流出防止装置(以下「カップリング」)を取外したところ、カップリングから液状LPガスが流出し、充填作業者が右腕に軽度の凍傷を負った。

      [原  因]
      ポンプの軸受部が何らかの原因で破損し、その破片がカップリングのバルブステムとシールパッキンの間に噛み込み、閉止不完全となった。

    2. 充填ホース安全継手からの液流出

      [発 生 状 況]
      充填を行うため充填ホースを引っ張っている最中、無理に引っ張ったため安全継手が分離した。(安全継手は、充填ホースに無理な引張り力が掛かった場合の充填ホース保護として分離するもので、分離時には内部の弁が閉止してガスは漏洩しない。)
      この為、充填作業を継続するため安全継手を現地にて接続しようとしたところ、安全継手から液状LPガスが吹き出し、何らかの着火現により爆発・火災に至った。

      [原  因]
      安全継手接続時、充填ホース内に圧力がある(液が存在)ため、圧抜きのため安全継手を緩めたが、安全継手上流の中間バルブ・緊急遮断弁を閉止していなかったことから、液流出となった。


  • この為、高圧ガス保安協会より下記のとおり民生用バルクローリの取扱い及び充填作業について注意喚起の連絡がLPG業界に出されています

    1. 充填ポンプ損傷によるカップリング用液流出防止装置からの液流出について
      • バルクローリーメーカーの取扱説明書を再確認し、記載どおり実施のこと。
      • ポンプの空運転・過充填防止装置の作動を行わないようにする。


    2. 充填ホース安全継手からの液流出
      • 離脱した充填ホースの安全継手接続作業は、現地では実施せず、LPガス充填所等安全な場所で実施のこと。
      • 安全継手接続作業時の充填ホース内LPガスの放出は、高圧ガス保安法の廃棄の規定に従って行うこと。


[考   察]

  • 充填作業における取扱の知識不足等により、特に非定常作業を行う必要が生じた場合問題が発生する恐れがあるため、今回の事故を含めた注意事項を取り纏めた冊子の配布及び今後の保安教育の実施方法についてLPG業界にて検討中である。

○質量販売容器の制限容量拡大について

[状 況 概 要]

  • 質量販売が可能となる容器(移動して使用する容器を除く)の制限容量は、現行20リットル未満(8kg以下)とされており、また配管と接続せずに販売できる制限容量は8リットル未満(3kg以下)とされていますが、経済産業省においては次の条件を満足した容器については、質量販売の制限容量及び配管接続不要の制限容量を25リットル未満(10kg以下)に拡大することを検討しています。

    • 過流出防止機構を内蔵し、接続部を迅速継手とした質量販売対応型調整器の設置
    • 接続部が迅速継手(逆止弁付)とした質量販売対応型高圧ホースの設置
      (注)上記の機器は、現在高圧ガス保安協会で技術基準整備中


[考   察]

  • 質量販売については、近年事故が増加傾向でありH16年度保安対策指針においても質量販売事故対策が重要とされていることから、制限容量が拡大された場合は、更に質量販売事故の減少に努める必要があります。

  • なお、前記質量販売制限容量が拡大できる条件を満足する容器は、容器元弁の形状が現行容器と相違するので、現状の容器充填機では充填不可であり、充填機充填口の改造又は交換が必要となるため、今後LPG業界において対応を検討していく必要があります。

○経済産業局の管轄業務変更について

[状 況 概 要]

  • 経済産業省設置法の一部改正に伴い、2005年4月1日より産業保安監督部が新たに設置されるため、現在経済産業局長権限とされている業務が変更となり、保安に係る業務は産業保安監督部長権限となります。

  • 従って、申請・届出手続きにおいて提出先等が2005年4月1日より変更となるものがありますので確認が必要です。

    (変更例)現経済産業局長→変更後産業保安監督部長
    • 保安機関の認定関係の権限
    • 設備工事関係の権限


[考   察]

  • 現行経済産業局管轄事業者は、今後申請・届出手続き関係等が複雑になると考えられるため、現在LPG業界において分り易い解説資料等の作成を検討中である。


  そ の 他

○LPガスコジェネ設備の法規制について

[状 況 概 要]

  • LPガスを使用するコジェネ設備は、燃料電池方式(FC)・マイクロガスタービン方式(MGT)・ガスエンジン方式(GE)等が開発又は実用化されています。

  • しかしながら、コジェネ設備は熱供給用途とともに発電用途があり、高圧ガス保安法において電気事業法の電気工作物(発電用の燃料供給設備含む)は高圧ガス保安法適用除外(電気事業法適用)と規定されていることから、コジェネ設備へのLPG供給設備は電気事業法適用となります

  • 但し、電気事業法ではLPG供給設備に係る消費者保安規制等の詳細基準は制定されておらず、現行法体系では問題があることから、現在経済産業省においてLPガスコジェネ設備の法規制について検討中です。


[考   察]

  • コジェネ設備へのLPG供給設備を電気事業法適用から外した場合においても、発電用とすると現行法規では高圧ガス保安法適用となり、熱供給用とした場合であってもFC用LPガスは燃料用ではなく原料用(高圧ガス保安法適用)との解釈が出来てしまいます。

  • 従って、高圧ガス保安法と液化石油ガス法の適用区分が不明確となり、かつ、液化石油ガス法適用の場合は、今後FC又はMGT用のLPガス供給で中圧又は高圧供給が必要となったときに、法定設置義務のあるガスメーターの仕様(中圧又は高圧ガスメーターは計量検定品なし等)について検討を要する状況です。

  • 以上より、現在LPガス業界としては、経済産業省とLPガスコジェネ設備の法規制の在り方について検討を行っていく予定です。

  • なお、コジェネ設備を設置する場合、現状においては、まだ明確化されていない法規制事項もあることから、所管行政庁に確認し了承を得ておくことが望ましいと考えられます。


○産業保安にかかわる申告について

[状 況 概 要]
  • 経済産業省原子力安全・保安院保安課は、事業者による法令違反行為等を早期に発見することにより、産業保安の向上を図ることを目的として、産業保安に係わる申告の受付を始めました

  • 申告の対象となる内容は、下記法律に違反する事実であり、( )内に記載した申請受付窓口(法令担当課)にて受付けます。
    • 高圧ガス保安法(保安課)
    • 液化石油ガス法(液石保安課)
    • 石油コンビナート等災害防止法(保安課)
    • 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(ガス安全課)
    • ガス事業法(ガス安全課)
    • 鉱山保安法(鉱山保安課)
    • 火薬類取締法(保安課)
    • 電気事業法(電力安全課)
    • 電気工事業の適正化に関する法律(電力安全課)
    • 電気工事士法(電力安全課)
    • 熱供給事業法(ガス安全課)
    • 金属工業等鉱害対策特別措置法(鉱山保安課)


  • 申告者については保護を行い、職業・身分・理由・動機などは問わず、仮名・匿名での申告も認められます。

  • 以下の方針に基づき、申告処理が行われます
    1. 申告があった場合は、特に安全性及び違法性の両方の観点から、迅速かつ機動的に調査を行う。
    2. 申告者を保護する。
    3. 申告について、安全規制上の重要性を適切に判断するとともに、安全確保に関する重要な問題を発見する端緒ととらえて、事実関係を調査し、必要に応じ是正措置を講じる。

  • 申告の受付方法は、下記の方法が認められています。
    • 電話又はFAX
    • 郵便
    • 電子メール
    • 面会

  • 申告案件は、案件毎に原則公表を行うこととされ、公表の際申告者保護の観点から、当該調査又は措置を行った契機は原則として明らかにしない。


[考   察]
  • 内部告発等に対する国の受付制度を確立させたものであり、事業者は今後更に法令遵守(コンプライアンス)に努める必要があります

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