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LPガスの需要


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LPガスの需要開発について考える

“家庭用LPガスの需要開発”という言葉の中には、次の3つのタイプが含まれています。1つは、「新規顧客の獲得」。もう1つは、現在のお客さまの単位消費量アップによる需要拡大、すなわち需要の掘り起こし。そして最後が、新しい機器や新分野での新需要の創設です。新規顧客の獲得は、日本の人口が徐々に減っていく中、世帯数も減り、強力なライバルである電力会社の推奨する「オール電化住宅」の台頭により非常に厳しくなってきており、単位消費量のアップについても、業界の非常に大きな課題でしたが、機器効率が改善されたことや、グレードアップの提案が思うように進んでいないことから、大きく変化がないのが現状です。そこでここでは、LPガスの需要拡大を目指すために認識しなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことをまとめてみました。


 新規顧客の獲得













1. 日本の人口と世帯数は減少する
日本の人口は2005年〜2009年をピークに減り始め、2030年には5%〜11%減少すると予想されています。人口が減れば、当然世帯数が減るため、マーケットは縮小します。マーケットが縮小すれば、自店の顧客軒数が減った分を補おうと競争はますます激しくなり、新築の取り合いだけではなく、既存ユーザーの取り合いも発生してきます。

■人口推移予想図
出典:総務省統計局『我が国の推計人口』、国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成14年1月推計)』


2. 避けられない自由化の波
2004年4月より500kW以上の電力需要家が自由化され、2005年4月には50kWにまで自由化のハードルが下がってきました。都市ガスも例外ではなく、2005年に約460t/年以上の需要家が、2007年には約92t/年以上の需要家が自由化となりますので、電力、都市ガス、同業者との激しい競争が予想されます。


3. 電力業界の攻勢状況
従来は、家や工場が建てば自然に電力会社の顧客となっていたため、数年前まで電力会社には営業部すら存在しませんでした。しかし、自由化の流れとともに、あぐらをかいていた電力会社もそうはいっていられない状況になってきています。IPPやPPSという新しい電力会社の台頭や電力会社同士の競争が生じ、新規顧客も、既存のお客も奪われ始めているのです。需要量減の補填と安定的な収益を求めて、家庭用需要に白羽の矢をたてたことが、オール電化攻勢が始まったそもそもの理由です。
■電化攻勢の動き ー業界縮図ー
右図でも分かるように、競争が激しくなると、競争力の無い弱い所(小さいお店ということではありません)にしわ寄せが来ます。


4. 電力業界と同じ土俵で戦っても勝ち目はない  
電力会社の営業の決め手は、何といっても、莫大な資本力をもとにTVや雑誌などのメディアを利用した消費者への洗脳作戦です。我々の業界では同じような展開はできません。電力との競争で「CMがあれば」「広告ができれば」などとないものねだりをして言い訳にするのではなく、我々ができること、有利なことを実践していくという認識を持ち、行動すべきでしょう。電力会社にはできず、我々ができる最大の武器は、やはり、お客さまとの接点機会を利用した「顧客接点活動」です。自分の戦うステージをしっかり把握して、やるべき活動を確実に実践していきましょう。
■電化攻勢の動き ー業界縮図ー












1. 消費者へのアプローチと商品紹介
我々は、幸いなことに、検針・配送・集金等の活動をきっかけにして、毎月、お客さまとお話できます。そのチャンスを最大限に利用して、定期的なPR活動を行ないましょう。例えば、器具の新製品情報。従来型のコンロをお使いのお客さまは、TVでIHクッキングヒーターを見たときに、今使っているコンロと比較して「何て電気のコンロは進んでいるんだろう」と、まるで未来の商品を見るかのように思うでしょう。お客さまは自分の持っている情報の中で比較するので、この時点で、それに匹敵する最新式のガラストップコンロの情報をお届けできているかどうかが勝負の分かれ目となります。お客さまにガス機器を「選んで」いただくためには、まず、その存在を知っていただかなくてはなりません。

2. サブユーザーへの情報提供
サブユーザーが、我々の業界に対して口を揃えて言う言葉は「情報がまったくこない」ということです。どのアンケート結果を見ても同じ答えが返ってきます。それに対して電力業界は、豊富な情報や資料の提供を行なっており、結果として、「お客さまから相談されれば、知っているものしか勧められない」となるのも無理はありません。サブユーザーは、情報の提供と、展示場等での最新ガス器具の実演や展示を望んでいます。人を集めるのは大変なことですが、人が集まるところに出展するという逆の発想も可能です。まずは、弊社で推奨している『プチ☆ガス展』を、住宅展示場などで開催してみてはいかがでしょう。

■サブユーザーのLPガス業界への意見の例
●新製品の説明がない(電気は商品の説明のほか、電気料金・ガスとの比較まで教えてくれる)。
●基本的に訪問してくれる回数が少ない。
●各メーカーの自社アピールが多く、本当の比較が分からない。
●セールスポイント、性能までもう少し具体的な情報が欲しい。
●最近の情報が少ない。
出典:Gラインサブユーザー調査より

 家庭用の単位消費量アップ

新規顧客の獲得等、目立つところについ目がいきがちで、意識されにくいのが、既存顧客の単位消費量アップです。自店の商圏内での需要の掘り起こしは、実は、新規顧客獲得よりも簡単で確実に消費量がアップしていく最良の方法といえます。













単位消費量をアップさせる家庭用ガス機器についてしっかり認識しておきましょう。

1. コンロ
コンロのトップランナー機器の効率は従来のコンロに比べて5%〜10%も改善され、一見消費量が減っていくように見えますが、標準型が2口から3口に推移し、グリルを使うケースも増えてきました。使用される機会が増えれば当然消費量もアップします。多機能コンロへの買い替え促進は、単位消費量アップの大きなポイントです。
■2口コンロ以上の出荷状況
コンロは、電子レンジや電子ジャーポットの出現により活用の機会が減っていました。ここ数年は、さらに、IHクッキングヒーターという強力なライバルの出現により競争が激化しています。しかし、このことにより、ガスコンロも、デザイン・機能等が改良され、年々減っていた需要も2000年から増え始めています。見方を変えれば、これはIH効果といえるでしょう。


2. ガス給湯器
ガス給湯器の普及率は全国平均で見ると55.3%(戸建)です。灯油の給湯器が最大のライバルとなりますが、都市ガスのお客さまは、90%以上がガスの給湯器を利用しているのに対し、LPガスのお客さまは、約半分の世帯が灯油の給湯器を使用しています。単位消費量アップのポイントは、ガス給湯器の設置率のアップと大型化です。コンデンシング給湯器の台頭により、機器の取り替えだけでは、消費量がダウンしてしまいます。普及率を高めることと、大型化、そして温水消費機器との組み合わせで給湯暖房機を設置していくなど、お湯の使い方も合わせて提案をしていかないと消費量アップは望めません。
■タイプ別ガス給湯器の出荷状況


3. 温水式床暖房  
暖房の理想といわれる「頭寒足熱」を実現できるのが床暖房です。設置に工事を伴うため、手軽に設置できるファンヒーターやエアコンにシェアを奪われていましたが、快適さを重視して選択されるお客さまが増えてきています。しかし、都市ガスや電気に比べてLPガス床暖房の普及率は非常に低い数字になっています。いい方をかえれば、需要はまだまだ沢山あるということです。


4. 浴室暖房乾燥機
浴室でのヒートショック防止や、浴室を洗濯物の乾燥室として活用するために浴室暖房乾燥機を設置する家庭が増えています。2002以降に建った住宅の10軒に4軒は浴室暖房乾燥機が設置されています。
最近では、ヘルシーなミスト機能を備えたものも発売され、ますます人気が上がっていくことが予想されます。


5. 食器洗い乾燥機
現在、キッチン周りで主婦がほしい機器の1つが、食器洗い乾燥機です。食事の後の一家団欒の時間を全員で過ごせるように、食事の後片付けは機械任せにしたいというのが主婦の希望なのです。












1軒あたりのガス消費量をアップさせるには、ガスの消費につながる機器の販売が必須です。ただし注意しなくてはいけないのは、“我々が売りたい”商品を提案するのではなく、“そのお客さまが快適になる”商品を提案することです。
また、提案時には、今後ますます重要となる環境・経済性への考慮も忘れてはいけません。


1. 給湯器
給湯器の普及率を上げることはもちろんですが、買い替えの需要をしっかりフォローしていくことも重要です。現在買い替え時期にきている給湯器は、16号・20号といったタイプが多いので、使いたい時にたくさんお湯が使える大能力のものをおすすめしましょう。高効率給湯器についても、快適さが増してもガスの消費量はあまり変らないメリットをPRしましょう。


2. 給湯暖房機
単位消費量のUPにむけて、我々がぜひ提案したいのが、床暖房、浴室暖房乾燥機とパック提案できる給湯暖房機です。
給湯暖房機は、従来の給湯・追焚きの機能に加え、暖房機能も兼ね備えた1台3役の給湯器で、床暖房と浴室暖房乾燥機を使用する家庭なら1台4役のマルチプレーヤーといえます。
給湯暖房機にも高効率のタイプが発売されたため、お客さまには高効率タイプをおすすめするとともに、「暖房パック」「暖暖プラン」などの暖房料金を考えて展開しましょう。


3. 食器洗い乾燥機への給湯接続
主婦のニーズが一番高い食器洗い乾燥機が普及すると、台所での「食器洗い」という給湯ニーズが消失します。そのニーズをなくさないために我々が行なうべきことは、食器洗い乾燥機に給湯接続を行なうことです。量販店で購入した商品でも、給湯器に接続していただければ給湯需要は守られます。お客さまにとっても、高温で汚れ落ちがよく短時間で洗い終わるというメリットがありますので、積極的におすすめしましょう。

 新規需要開発

新規需要開発は、家庭業務用と産業用・工業用の2つの用途から考えることができますが、ここでは、エコウィル・燃料電池など、今後の普及が期待される家庭業務用機器を中心に、新規需要が見込める商品について注目してみます。













LPガスの需要開発商品について、常に最新の情報を集め、しっかりした知識を持ちましょう。

1. エコウィル  
これからのエネルギーのキーワードは「分散型電源」。LPガスを使って家庭用の分散型電源を実現した商品が「エコウィル」です。エコウィルはLPガスを燃料にしてガスエンジンを回し、電気とお湯を作る発電機能付給湯暖房機で、2003年に発売されて以来、約1万台以上(LPガス仕様は1,800台)が出荷(2004年末現在)されており、今後ますますの普及が期待されています。エコウィル販売のポイントは、すべての家庭がターゲットになるのではなく、暖房需要が大きい家庭にしか向いていない、というところにあり、すなわち、エコウィルを販売するということは、暖房需要を開拓することなのです。


2. 燃料電池  
現在、毎日のように新聞紙上を賑わしている燃料電池は、定置用と自動車用の2つの用途で研究が進められています。定置用では、家庭用としてLPガス、都市ガス、灯油用が研究されており、2005年に入り都市ガス用、LPガス用が相次いでモニター販売されました。普及までには、まだしばらく時間がかかると思われますが、国の施策商品であり、LPガスの需要拡大には期待できる商品といえます。燃料電池のシステム構成は、基本的にはエコウィルと一緒で、唯一の違いは、ガスエンジンで電気とお湯を作るか、化学反応によって電気とお湯を作るかという点です。



3. ガスエンジンコージェネ
中型の分散型電源として期待されているのが、ガスエンジンです。5kW〜20kW程度まではパッケージ商品が販売されており、大量にお湯を使うユーザーにメリットが出る商品といえます。電力の苦手なお湯を作る機能がメインで、電力は副産物と考える方が扱いやすい商品です。


4. GHP  
2005年4月に、ついに50kW以上のユーザーが電力自由化の対象となります。今までは、電気の料金体系の中で50kWに大きな壁(キュービクル設置)があったため、50kWを超えそうなユーザーは、空調をGHPにしたり、ガスエンジンコージェネを採用したりと、50kWを超えないように工夫をしていました。しかし4月からは料金が自由化となるため、電力側からキュービクルを入れてもメリットが出るような価格を提示されれば、わざわざGHPやガスエンジンコージェネを採用する必要がなくなります。2005年以降、業務用、中小産業用の動向に十分に注意が必要です。


5. LPガス車  
需要開発で忘れがちなのが、LPガス車の存在です。LPガスのブタン需要に大きく貢献し、環境問題が大きく取り沙汰されている現在、LPガス車は時代にマッチした車といえます。次世代ディーゼル車などの研究が進み、排ガスもクリーンになってきています。タクシー、トラック、教習車などが次世代ディーゼルに切り替わることになったら、LPガスの消費量は大幅にダウンします。













ガスの消費につながる末端機器の設置について考えましょう。

1. エコウィル
今後、国策として確実に普及が予想される「燃料電池」に備えて、家庭用分散型電源の導入編として取り組む必要があります。家庭用LPガスの新需要を創設する商品として、また電化対抗の商品として早めに取り組みましょう。


2. 燃料電池
エコウィルと同様、家庭用LPガスの新需要を創り出す商品として、また電化対抗の商品として取り組む必要があります。国の燃料電池普及計画をみますと、給湯器に代わる商品として考えたほうがよいでしょう。燃料電池の普及までにはまだ時間がありますので、それまでに、エコウィルで分散型電源(特に系統連系)を勉強するとともに、電気工事士、給水装置工事主任技術者、管工事施工管理者等の資格を取得しておくことをおすすめします。


3. ガスエンジンコージェネ
2005年4月からは、「電気代を抑えられますよ」という従来の進め方ではなく、「お湯の快適な使い方」をメインに提案する必要があります。お湯を大量に使うユーザーは限られますが、我々のユーザーには意外と多く存在しています。ターゲットを把握し、積極的に提案を行なってください。


4. GHP
ガスエンジンコージェネ同様に、2005年の4月からは提案のポイントが変わってきます。価格での競争なら、4月からは電力も対抗することができるため、価格以外の「提案力」の勝負となります。製品のよさは実証済みですので、ガスならではのよさ・快適さを、積極的にユーザーにPRしましょう。


5. LPガス車
LPガス業界で使用されている、営業車、配送車などのLPガス車は意外に少ないのが現状です。我々LPガスを扱う業者がまずできるのは、自分たちの会社でLPガス車を採用することです。LPガス自動車促進協議会で会員事業者に行なったアンケート結果では59社から回答が届き、LPガス車は所有する車の27%にしかすぎませんでした。自ら使いもせずにおすすめしても需要が増える訳がありません。我々自身が、LPガス車のよさを認識しましょう。


環境問題、省エネ基調が進む中、最も大切なポイントは、我々LPガス事業者自身が、LPガスは環境問題や省エネにも貢献できるエネルギーだということを再認識した上で「お客さま」におすすめすることです。オール電化問題、電力・都市ガスの自由化問題、環境問題、省エネルギー問題など我々が対応していかなくてはならない問題は山積みですが、他のエネルギーに劣ることのないLPガスを、自信をもって拡販していきましょう。

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