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エネルギー政策


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2003年 エネルギー基本計画とLPガスの位置付け

「エネルギー基本計画」は、昨年成立した「エネルギー政策基本法」に基づいた、国の定性的なエネルギー政策方針です。「エネルギー基本計画」の内容は、これからのエネルギー政策に大きく影響するものであり、LPガスに関してもガス体エネルギーとして明確に位置付けられていますが、LPガス業界の課題も国の方針として明記されています。皆さまもエネルギーに携わる事業者として概要をご理解願います。


   エネルギー基本計画の概要

基本的な方針

安定供給の確保
  1. 省エネルギー
2. 輸入エネルギー供給源の多角化や主要産出国との関係強化  
3. 国産エネルギー等エネルギー源の多様化
4. 備蓄の確保
環境への適合
  1. 省エネルギー
2. 非化石エネルギーの利用、ガス体エネルギーへの転換  
3. 化石燃料のクリーン化および高効率利用技術の開発・導入
市場原理の活用
  「安定供給の確保」、「環境への適合」を十分考慮した上で、制度改革を進めるとともに、わが国の実情に適合する形での市場原理の活用策を設計。
長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策

省エネルギー
需要対策の推進
  「経済と環境を両立」を期待。民生・運輸部門を中心に対策を強化。資源節約型の経済・社会構造の形成に資する施策を推進。負荷平準化対策の機器やシステムの普及、開発に向けて環境整備を図る。
多様なエネルギーの開発、
導入および利用
  原子力の開発、導入および利用。原子力の安全の確保と安心の醸成。新エネルギーの開発、導入および利用。ガス体エネルギーの開発、導入および利用。石炭の開発、導入および利用。
石油の安定供給の確保等
  石油はわが国の一次エネルギーの約5割を占めており、今後も重要なエネルギー。石油備蓄の着実な実施、産油国との関係強化等総合的な資源戦略の展開、石油産業の強靭な経営基盤の構築を進める。
電気事業制度・
ガス事業制度のあり方
  電気事業制度は発送電一貫体制、ガス事業制度は川上から川下まで一貫した体制により安定供給を図った上で改革を推進。電気事業制度・ガス事業制度とも全面自由化については、十分慎重に検討。
長期的展望を踏まえた
取り組み
   10年〜30年以上の長期的視野の下、分散型エネルギーシステムや水素エネルギーシステムといった将来のエネルギーシステム実現のための取り組みを一層強化。


   《長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策》の要旨

省エネルギー需要対策の推進

民生部門における対策
  「トップランナー方式等により機械器具の効率改善を推進」。「省エネ法、ESCO等の活用」。「省エネルギー基準を満たす住宅・建築物の普及を図る」。

運輸部門における対策
  「トップランナー方式の効果的な運用」、「ハイブリッド車、アイドリングストップ車の普及促進を図る」。「自動車交通流の改善、モーダルシフト、物流の効率化を進める」。

産業部門における対策
  「省エネ技術開発、省エネ投資の促進を図る」。「経団連環境自主行動計画の着実な実施を期待」。

部分横断的な対策
  「情報提供、広報を強化し、国民の省エネ意識を高める」。「個々の工場、ビル、住宅等の枠を超えた複数主体の連係により省エネを進める」。


多様なエネルギーの開発、導入および利用

原子力の開発、導入および利用
  「トップランナー方式等により機械器具の効率改善を推進」。「省エネ法、ESCO等の活用」。「省エネルギー基準を満たす住宅・建築物の普及を図る」。

新エネルギーの開発、導入および利用
  「トップランナー方式の効果的な運用」、「ハイブリッド車、アイドリングストップ車の普及促進を図る」。「自動車交通流の改善、モーダルシフト、物流の効率化を進める」。

ガス体エネルギーの開発、導入および利用
  「天然ガスは中東以外の地域に広く分散して賦存するとともに、環境負荷が小さいエネルギーであるので、燃料転換や利用技術の開発を推進」。
「LPガスは環境負荷が小さいエネルギーであることから、幅広い利用を促進する」。
「輸入の中東依存度が高いため、安定供給の観点から備蓄体制を整備」。

石炭の開発、導入および利用
  「高効率の燃焼技術等、環境に適合したクリーン・コール・テクノロジーの開発・普及を行なうとともに、環境面で優れた利用技術のアジア諸国等への普及を図る」。

LPガスは、ガス体エネルギーとして利用の促進を図るエネルギーとして位置付けられましたが、一方、省エネルギーの推進は、エネルギー消費の低下を目的としています。従って、LPガス事業は省エネを前提とした利用拡大に取り組むことが重要なポイントとなります。



   エネルギー基本計画におけるLPガスの位置付け

LPガスは基本方針の中で、「環境への適合」を図るための二酸化炭素排出量の少ない「ガス体エネルギー」で「多様なエネルギーの開発、導入および利用」すべきエネルギーの一つとして位置付けられましたが、取引の適正化の推進も国の方針として明確に記載されました。

【位置付けのポイント】
天然ガスとともにクリーンなエネルギーである
 
国民生活に密着した分散型エネルギーの一つである
 
LPガスを都市ガスとともにガス体エネルギーとして一体的にとらえる
【政策のポイント】
充填所の統廃合、交錯輸送の合理化、バルク供給の普及等を促進する
コージェネレーションや燃料電池に幅広く利用されるよう促進策を講じる
環境負荷の低いLPガス自動車の導入を促進する
取引の一層の適正化を図るため、料金の透明化、書面の記載内容の適正化等を推進する
LPガスの国家備蓄体制を確立する

●原子力の開発、導入および利用
【エネルギー政策におけるLPガスの位置付け】
LPガスは、PM(粒子状物質)の排出がない等、環境負荷が相対的に小さく、天然ガスとともにクリーンなエネルギーである。また、災害時における安定供給の確保に資する等、国民生活に密着した分散型エネルギーのひとつである。このため、LPガスを都市ガスとともにガス体エネルギーとして一体的にとらえるとともに、競争環境の整備等を通じ、より一層のガス利用者の利益の増進を図るものとする。

【クリーンなガス体エネルギーであることを踏まえた推進策】
経営の効率化を図るため、充填所の統廃合、交錯輸送の合理化、バルク供給の普及等を促進する。
また、利用の効率化・多様化を図るため、コージェネレーションや燃料電池に幅広く利用されるよう促進策を講じるとともに、環境負荷の低いLPガス自動車の導入を促進する。さらに、ガス利用者の利益をより一層増進する観点から、取引の一層の適正化を図るため、料金の透明化、書面の記載内容の適正化等を推進する。

【安定供給確保のための備蓄等の取組】
LPガスは、輸入の約8割を中東からの輸入に依存しており、安定供給の確保が課題となっている。このため、民間備蓄の着実な実施に加え、平成22年度にLPガスの国家備蓄体制を確立すべく、事業の効率化を図りつつ備蓄体制を整備する。


   エネルギー基本計画における天然ガスの位置付け

天然ガスの位置付けは、LPガスに比べて積極拡大的な表現が目立っています。特に、都市ガス分野での導入促進策や天然ガス自動車税の特例措置等などです。天然ガスとLPガスは供給地域や個別エリアに応じて役割分担したり競争したりするわけですから、制度として需要家に対して不公平があってはならないはずです。LPガス業界は、今後も、具体化されてくる政策面で不公平がないよう公正さを継続的に求めていくことが、まだまだ必要になります。

●ガス体エネルギーの開発、導入および利用(報告書の原文)
【エネルギー政策における天然ガスの位置付け】
天然ガスは、中東以外の地域にも広く分散して賦存するとともに、他の化石燃料に比べ相対的に環境負荷が少ないクリーンなエネルギーであり、安定供給及び環境保全の両面から重要なエネルギーである。このため、石油、石炭、原子力等の他のエネルギー源とのバランスを踏まえつつ、天然ガスシフトの加速化を推進する。

【天然ガスの流通・調達の円滑化に向けた取組み】
諸外国に比し著しく立ち後れている国内のガス供給インフラの整備及び広域的なガス流通の活性化の視点から、パイプラインに係る投資インセンティブの付与、関係行政機関の連携による道路等への円滑な埋設手法の検討を行いつつ、国内導管網の相互連結や第三者利用を促進する。また、海外からの安定的かつ低廉な供給確保のため、石油の場合と同様、資源開発の推進、産ガス国との相互依存関係の強化を図る。さらに、事業者及び国は、供給先の多様化等に努めることにより供給側との交渉力の向上を図り、長期契約の取引条件の柔軟化等を通じたLNG輸入価格の引下げと安定化に努める。また、サハリンからのパイプラインによる天然ガスの供給が民間において検討されているが、それが経済性のある形で実現された場合、供給の選択肢拡大に寄与することが期待されることから、これまで十分な整備が図られていなかった長距離海底パイプラインの安全規制の整備等の面で、国は必要な環境整備を行う必要がある。

【需要拡大のための方策】
発電所、工場、ビル商業用施設等における燃料転換を促進するため、事業者の自主的努力に加え、助成措置を講ずる。都市ガス分野では、天然ガスコージェネレーション、燃料電池等の分散型電源の導入促進に加え、競争環境の整備等を通じた販売価格の引下げを図る。運輸分野では、GTL及びDMEの開発・導入に加え、自動車税の特例措置等やコスト低減等の努力によりCNG自動車の導入を促進する。

【天然ガス利用技術(GTLおよびDME)、メタンハイドレートの開発加速】
GTL及びDMEは、天然ガス等を原料とする硫黄分等を含まない環境面で優れた新たな形態の燃料であり、今後、軽油等の石油系燃料の代替燃料等として期待される。
このため、海外における生産プラント等の供給源の拡大、コスト低減のための技術開発を推進し、その開発・導入を進める。また、国産エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの開発・導入を進めるため、当面10年程度の期間を念頭に将来の商業化を目指し、新たな生産・探査技術の開発や環境影響評価等を着実に進める。


ガス体エネルギーとして天然ガスとLPガスが位置付けられましたが、天然ガスはLNGローリーで大口需要家に供給される場合を除くと、ほとんどがガス導管で供給されます。ガス導管は国土の約5.5%にしか敷設されておらず、天然ガス(LNGおよび国産天然ガス)は日本の人口の約50%しかカバーされません。従って、天然ガスは導管という「ネットワーク型エネルギー」に対して、LPガスは「分散型エネルギー」として位置付けられました。
需要家に対する公正さの視点で考えると、今後のポイントは、政策面で天然ガスとLPガスとの不公平があってはならないこと、LPガス事業者としては都市ガスと遜色のないお客さまサービスが必要になることです。

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