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LPガス産業政策


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1999年 公正取引委員会報告書
公正取引委員会は、総務庁の外局機関に属し、「規制緩和と競争政策の推進」、「独占禁止法違反に対する対処」を大きな役割としており、電気・都市ガスの規制緩和による競争政策と併せ、LPガスの競争政策にも関わりを強めています。

  本報告書に至る経緯

「LPガス販売業における取引慣行等に関する報告書」作成に当たり、公正取引委員会はエネ庁流通課を通じ日連に実態調査を依頼、1999年1月21日付けで提出期限2月5日の調査依頼が行われ、販売事業者500(回答348)に対しアンケート調査を行った。、公取委は同時に47都道府県(回答479)及び消費者999(回答956)のアンケート調査を行った。
この報告内容は、その後、アクションプラン、料金問題検討会、自主ルールに反映されていった。以下報告概要。


LPガス販売業における取引慣行等に関する報告書について


  業界の概要

( 1) 新規参入の状況
● 平成8年3月の液石法改正による参入規制の緩和に伴い、当初、異業種からの新規参入が予測されたが、現在のところ大きな動きに至っていない。

( 2) 販売競争の状況
● 顧客が固定される傾向があり消費者側にも販売業者を変更するという意識が乏しかったため、競争が十分行われてこなかった。多くの消費者が料金によっては業者変更を考えている。

● 消費者が知らないうちに商権が業者間で売買されトラブルになるケースがあり、消費者に対し業者変更について十分説明し了承を得る必要がある


  参入規制

( 1) 都道府県による行政指導
● LPガス販売業の登録申請に際し、業界団体を通じた賠償責任保険の加入及び付保証明の添付を要請・業界団体や既存事業者に話を通しておくように勧める・業界団体への加入を勧る都道府県があり、新規参入が不当に制限されるおそれがある。


  料金制度

( 1) 料金の実態
● LPガスが自由料金である事を「知らない」とする消費者の回答が76.3%もあり、このような消費者の意識も価格競争を生じにくくさせている原因の一つと考えられる。

● LPガス料金について、販売業者は「適当であると思う」が75.6%、消費者は「高いと思う」が60%以上であった。

( 2) 料金体系
● 「基本料金・従量料金」からなる二部料金制を採用している販売業者が圧倒的に多いが、消費者に渡される請求書には使用量と使用料金しか記載されていない場合が多い。

● 基本料金に何が含まれているかについて十分な説明がなされていないことが多い。

● 料金表については、ほとんどの販売業者は交付しているとしているが、「受け取った」とする消費者は3割にすぎず、値上げの際ですら料金表を「受け取っていない」とする者もいる。

● 料金の内容が消費者に明確にされない場合が多く、消費者に対する情報提供という点から問題があるだけでなく、販売業者間の公正かつ自由な競争を促進するという観点からも望ましくない。交付書面において料金算定方法を記載する等により料金体系の透明化を図る事が望ましい。


  無償配管

( 1) 経緯と実施状況
● 無償配管は、建築業者等にとっては建築費用の一部を削減でき、一方、LPガス販売業者にとっては、配管費用の負担を理由に配管所有権を主張し、継続的な販売権が獲得できると考えられてきた。

● 当初は販売業者の方から販売促進の手段として始めたものであるが、現在では建築業者等からの要求が常態化している。

● 都市ガスの場合には、ガス供給前に消費者が支払う事になっている。

● 平成7年12月の通産省・石油審議会石油部会液化石油ガス小委員会の中間報告書では、無償配管の慣行について「LPガス産業・消費者双方にとって利益になっているとは考えられず、廃止すべきものである」と提言されている

( 2) 配管費用の回収
● 多くの販売業者が配管費用の回収について、顧客に明確な情報を提供しておらず、すべての顧客から基本料金等に含め、均一に回収するというケースが多数を占ている。

● 無償配管は、建築業者にとって無償ということであり、消費者は知らないうちにその費用を請求されている。

● 建築業者等は、消費者に請求する建築代金から配管費用を差し引く場合はなく、消費者は配管費用を二重に支払っているケースが多い。

( 3) 無償配管に伴う事例等
● 消費者が販売業者を変更しようとして契約解除を申し出た際に、配管の所有権を主張し、高額な買取り請求を行うというものがあり、消費者の中にはこのために解約を断念する者もいるといわれている。

● 販売業者が配管の買取り請求を行う場合、消費者に対してよりも次の販売業者に対して行われる場合が多い。

● 解約時に徹去されるガスメーターを請求する事について、本来そのような費用を消費者に負担させるべきでない。

● 解約を申しでた際に、メーターやボンベを速やかに徹去せず、次の業者がガスを供給できなかったり、次の業者がこれに対抗して無断で設備を徹去し放置する事例もある。

● 無償配管と併せ顧客確保の手段として、販売業者が建築業者等に対して紹介料を支払い、入居者を紹介してもらう事例があり、この慣行も建築業者等から要求されるようになっている。同様に、給湯器やコンロ」等の無償提供や貸与を行うという事例もある

( 4) 配管の所有権
● 配管の所有権は14条書面に明記することになっているが、消費者に適切に説明し了承を得ることなく、記載を根拠に配管の所有権を主張する業者もいる事を考慮し、通産省は、14条書面に所有である事を記載しても所有権が発生することにはならないとしている。

● 配管の所有関係を14条書面等で告知したとしても、消費者には必ずしも十分理解されていない。配管の所有権ついて、販売業者は配管費用を負担すれば自らにあるという意識が強いが、消費者は自分が所有していると考えている者が多い。

( 5) 独占禁止法上の問題
● 無償配管を行った事を理由に配管の所有権を主張し、消費者が解約を申し出た際に、不当に高額な配管の買取り代金を請求したり、供給設備の徹去を不当に引き伸ばしたりして顧客移動を制限することは、不公正な取引方法として独占禁止法上問題がある。

● 無償配管と併せ、不当に高額な紹介料やガス器具の無償提供等を行う事は、不公正な取引方法として独占禁止法上問題がある。
無償配管を行った販売業者の顧客を獲得しない等の申し合わせを行う事は、取引先を制限する行為として独占禁止法上問題がある。


  保 安

● 消費者は、保安について必ずしも十分に理解されていない。集中監視システムの費用は明確な形で料金に転嫁していない販売業者が多く、販売業者としては、費用を明確にした上で導入や解除に付いては消費者の選択にゆだねるべきである。


  ガス事業者間の競争

● 都市ガスが、供給区域を拡張する場合、LPガスの協会や支部に通知をし了承を得る必要があることになっているが、両者の調整がつかないために都市ガスの供給区域が拡張されず、都市ガスを希望する消費者の利益が損なわれる事があってはならない。

● LPガスから都市ガスに切替える際の、都市ガス業者からLPガス業者に支払われる立会料の金員は競争政策上の観点から望ましくない。

● 都市ガス業者の子会社であるLPガス業者が、都市ガスが入る予定が乏しいにもかかわらず、近々予定されているとして共用配管により顧客を勧誘する場合には、不当表示として景品表示法上の問題がある。


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