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分散型電源


分散型>太陽光発電
太陽光発電について考える

燃料電池や太陽光発電は、省エネでクリーンな新エネルギーとして脚光を浴びています。とりわけ太陽光発電は究極のエコ・無公害エネルギーとして注目されています。太陽光は枯渇する心配がなく(利用しても、しなくても同じ)、今後もますます注目度が上がり、色々なシステムとの複合により普及していくことが予想されます。ここでは、ライバルでもあり、ガス器具との複合型で展開される可能性も高い太陽光発電について、発電の原理や現在の普及状況、今後の見通しなどについて勉強していきましょう。


   太陽光発電の基礎知識

太陽光発電の開発は、1954年に米国でシリコン単結晶太陽電池が発明されたのがその始まりです。その後、実用化が進み、50年代末に人工衛星に搭載され始め、多くの人に存在を知られるようになりました。
日本では、1958年にマイクロ波無人中継局で実用化されたのが最初であり、量産化の見通しがついたのが60年代半ばからで、灯台の電源としても利用されました。80年代に入り、軽量、コンパクト、メンテナンスフリーの特性を生かしたソーラ電卓がヒットして、一般の人にも非常に馴染みの深いものとなりました。

 1. 用語解説


PVシステム:Photovoltaic(太陽光発電の意味)
セル:太陽電池の基本単位。シリコンを結晶化させてインゴッドという結晶柱をつくり、これを薄く切り電極化したものです。
モジュール:「セル」を必要枚数配列し、野外で利用できるように強化ガラスで覆ってパッケージ化したものです。この「モジュール」が工事の際に取り扱う最小単位の機器になります。
アレイ:「モジュール」を複数枚、直列あるいは並列に配列し、架台に配置したものなどをいいます。
モジュール変換効率:変換効率とは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換したときの割合を表します。


の計算式を用いて算出しています。                      
太陽光は1m2あたり、1kWに相当するエネルギーを有しています。現在モジュール変換効率は10%〜19%ですから1m2 のモジュールから100〜190wの出力が得られます。
(屋根の上のパネルの面積が分かればおおよその発電出力は見当がつくということです)


 2. 発電の原理について

太陽電池は性質の異なるP型とN型の半導体を重ね合わせたもので、そこに太陽の光があたるとプラスとマイナスを持った粒子が生まれ、プラス粒子はP型へ、マイナスの粒子はN型に多く集まり、この二つの半導体を電線で繋ぐと電気が流れます。
■太陽光発電の原理


 3. 太陽電池の種類

現在のほとんどの太陽光発電システムでは、結晶系シリコン半導体が太陽電池として用いられています。
電卓などに使われているアモルファス太陽電池も低コスト化に向けて今後期待されており、化合物の半導体を使用した太陽電池も高効率、低コストを目指して開発中です。 
化合物半導体は、25%以上のモジュール変換効率を得ることが可能といわれています。


   太陽光発電システムについて

 1. 発電システム構成
太陽光発電システムは、光エネルギーを直流の電力に変える太陽電池(セル)、接続箱、さらに、その電力を家庭で使える交流電力に変えるパワーコンディショナ、屋内分電盤、そして売電、買電の2つのメータから構成されます。


 2. 太陽光発電は売電が可能なシステム
太陽光発電で得られた電気は、必要に応じ、余った電気を、買う電気とほぼ同額で電力会社に売ることができます(下図参照)。
■売・買電のしくみ ■1日の発電量と消費量の推移




   太陽光発電の普及状況と支援について

 1. 太陽光発電の現状


2001年度の実績で太陽光発電は44万kW。2010年の目標値までには、10倍以上の普及が必要となります。


 2. 国からの支援策について

太陽光エネルギーの実績は毎年増えておりますが、補助金は毎年減少しており、来年度にはなくなる予定です。

  平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年
予算総額 111億円 147億円 160億円 182億円 235億円 232億円 105億円 52億円
補助額/kW 34万円 34万円 3段階 15〜27万円 12万円 10万円 9万円 4.5万円
実績件数 5,299 6,058 15,468 20,275 24,635 39,143 52,863
※補助金は9.99kWが上限

太陽光発電の場合、地方公共団体単位でも普及助成金が下りるケースが多く、全国297団体、団体単位で違いますが、2.5万円から25万円/kWも補助を行なう自治体もあります。17年度で太陽光発電に対する補助は終了となる予定ですが、これは17年度より燃料電池の補助に移行しようという発想からの終了で、燃料電池の開発が進まず、太陽光発電の重要性が再認識されてきている現在では、来年以降も違う形での補助が行なわれることも考えられます。


   太陽光発電の発電実績について

次に、太陽光発電システムを設置した場合にどのくらいメリットがでるのかを考えてみましょう。
太陽光発電システムは普及とともにコストが年々下がってきており、平成16年1月23日〜3月17日までのNEFの補助金申請を受けた物件のシステム価格の平均は、右表のようになっています。
では、実際に3kW設置時のデータと合わせてコストを比較してみます。
3kWの発電量を3,240kW/年(実測値による)とし、売電価格を20.54円kW(東京電力)とすると、1,850,450円÷(3,240kW/年×20.54円/kW)=27.8年となります。この数字からも分かるように、環境という観点からの採用であり、得をするために設置するシステムにはまだなっていないということが分かります。
ただし、毎年実績が増えていることを考えれば、環境を意識して設置しているユーザーも多いといえるでしょう。




   太陽光発電の発電量について

太陽光発電は、同じシステムでも、設置された場所、向き、角度、日照条件等によって発電量が大きく変わります。
真南、30度の角度で3.83kWのシステムを設置したときの、エリア別の発電量について見てみましょう。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合 計
北海道札幌市 239 287 386 401 436 404 393 372 363 306 203 189 3,979
宮城県仙台市 306 319 386 391 420 314 306 333 288 306 264 272 3,905
東京都23区 337 309 359 345 380 298 305 344 285 288 260 301 3,811
愛知県名古屋市 344 340 400 378 408 321 337 379 320 334 301 318 4,180
大阪府大阪市 284 278 344 368 416 336 380 385 330 321 271 272 3,985
岡山県倉敷市 305 302 361 378 401 316 351 409 350 342 295 292 4,102
愛媛県松山市 284 302 383 389 415 338 387 407 372 360 295 278 4,210
福岡県福岡市 222 252 342 369 388 330 350 384 346 358 265 228 3,834
(出典)京セラホームページ

同じシステムでも東京と松山では年間で399kWの違いが発生し、同じ都市の中でも設置状況に応じて発電量に違いが発生します。また、向きや設置角度を微調整するだけでも発電効率が変わるため、一番発電効率のよい設置方法を十分に検討する必要があり、大きな建物を避け、影になりにくい所に設置することも重要なポイントとなります。


   今後の見通しと準備

太陽光発電が、究極のエコ・クリーンエネルギーとして今後、ますます注目を浴びることは確実で、様々な機器との組み合わせで採用されることが予想されます。

我々が一番注意をしなくてはいけないのは、太陽光発電とエコキュートの組み合わせです。昼間は太陽光発電で電気を作り、発電しない夜はエコキュートにより夜間の安い電力を利用してお湯を蓄えるこの組み合わせは、省エネにも、地球環境に対しても、今発売されている機器の中ではベストの組み合わせといえます。ただし、先程の計算により、現状の価格では太陽光発電システムを採用しても金額的なメリットがなく、コストを重視するユーザーには向かない商品であることが分かりました。
しかし、これからの一般家庭のエネルギー競争は電力がキーポイントとなり、何によって作られた電気を使用しているのかも注目されるようになるでしょう。今後は、お客さまのライフスタイルに合わせたエネルギーの提案が必要となり、「すべてガス」がよい、「すべて電気」がよい、とは一概にはいえません。エネルギー全般の知識を身に付けることはもちろん、ガスを中心としたお客さまにマッチした機器の組み合わせの提案と、正確な情報提供を行なうことが不可欠な時代です、お客さまのご要望に答えられるように準備しておきましょう。

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